パナマ文書とは?タックスヘイブンの何が問題かわかりやすく解説!

パナマ文書とタックスヘイブンについてわかりやすく解説したイラスト

パナマ文書というのは一体何なのでしょうか?

海外ではこのパナマ文書という世界最大級リーク(情報漏えい)に対し、各国首脳陣が退任を迫られたり、国民全体が大規模なデモを起こし大問題となっています。

おそらく、あなたはこのパナマ文書問題について『対岸の火事』のようにイメージしてしまうことでしょう。

ではこれから、『パナマ文書』と、それを理解する上で大切な『タックスヘイブン』について、初心者の方にもそれの何が問題なのか、わかりやすく解説していきたいと思います。

まずはこちらのイラストをご覧ください。

パナマ文書とタックスヘイブンについてわかりやすく解説したイラスト パナマ文書とタックスヘイブンについてわかりやすく解説したイラスト パナマ文書とタックスヘイブンについてわかりやすく解説したイラスト パナマ文書とタックスヘイブンについてわかりやすく解説したイラスト(引用元:http://blog.livedoor.jp/kinisoku/archives/4611443.html)

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パナマ文書とは?

パナマ文書とは一体何なのか?

『海外のニュースなんて興味ねーよ』

『だってパナマの話でしょ?どこにあるのか知らないけど・・・』

まだまだこんな方は沢山いらっしゃいます。

 

『パナマ文書』を一言で言うと、『知られていはいけない秘密の中でトップクラスにアカン奴が世界中に広まってしまった』という事件。

どれぐらいアカンのかというと、

今世紀最大

と言われてしまうくらい。

どんな秘密かというと、世界中の金持ちがチートを使って税金逃れしていた記録。 しかも、名前も住所、メールのやり取りまで記載しているものが、なんと2.6TBの情報データとして流出。

世界中ではこのパナマ文書の流出を受けて、各国でトップ・オブ・トップクラスの首脳陣が莫大な金額の資産隠しをしていたことが暴かれてしまったのです。

チート・・・広義にはコンピュータゲームにおいて本来とは異なる動作をさせる行為。チート(cheat)を直訳すれば「ズル」あるいは「騙す」という意味(引用元:Wikipedia)

 

パナマ文書で世界が揺れている今、アイスランドのグンロイグソン首相は国民のデモを受けて退陣に追いやられ、各国で大規模な反政府デモが起きています。

さらに、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、イギリスのキャメロン首相、シリアのアサド大統領、サウジアラビアのサルマン国王、ウクライナのポロシェンコ大統領などが、タックスヘイブンのペーパーカンパニーと何らかの関わりがあったと指摘されており、現在、調査を開始しているとのこと。

ただ、中国では、習近平国家主席の親族がタックスヘイブンのペーパーカンパニーの株主だったことが明らかになり、『パナマ文書』や『義兄』などといったキーワードでネット検索ができなくなるなど、報道規制を敷くといった状況です。

 

まるで映画のラストシーンのような展開なのですが、ストーリーはまだまだ続いています。(むしろ始まったばかり) そして今、それを映画のように現実と切り離して観ているのが『日本人』なのです。

パナマ文書が世に出回ったことによって、被害者は誰なのかというと、生活が苦しいと言いながら税金を払ってきた国民だと言われています。

 

日本も関係してるの?

パナマ文書前の日本人の生活のイメージ

通常、税金はしっかり徴収されるので、それは公共の福祉や社会保障といった形でわれわれ国民に還元されています。 そして、もしも国民が税金逃れをすれば、本来、国に入り再分配されるはずのお金が足りなくなっちゃいますよね。

実際は、国民がタンス預金だの、〇〇離れだのでお金を使わないから経済が回らないという理解のもと、消費税が上がり、社会保障などが削られてきました。

大企業は軒並み赤字経営で、日本では長期間の不景気が続いています。

そんな中、一部の富裕層や大企業という、国の税収入の要となる人たちだけが知っていて、庶民が知らない節税対策が明らかになりました。

 

そのきっかけとなったのが

『パナマ文書』

なのです。

 

2016年4月3日に非営利組織ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)によりリークされた『パナマ文書』により、その内部情報が世界中に発信されたのです。

そして、その節税対策の肝となるのが『タックスヘイブン』という税金が掛からない国の存在でした。

このタックスヘイブンをうまく利用すれば、企業が赤字経営を装うことも可能になるという魔法の節税法・・・。

 

ではこれから、パナマ文書を理解する上で必要な、タックスヘイブンを使った租税回避がどのようなものなのか詳しく見ていきましょう。

タックスヘイブンの何が問題かわかりやすく解説!

タックスヘイブンの仕組みがわかる図解

まず、タックスヘイブンとは一体何なのか、できるだけ、わかりやすく解説していきましょう。

 

タックスヘイブンというのは、日本語に直すと『租税回避地』。 つまり、税金が全くかからないか、税率が著しく低い国のことです。 例えば、日本の場合であるならケイマン諸島はタックスヘイブンとして有名ですね。

人口わずか5万人弱、広さ259㎡程度のこの国では、税金がかかりません。

つまり、海外の富裕層や大企業が、これらのタックスヘイブンにペーパーカンパニー(実態のない会社)を作り、資産をプールするという手法を使い節税をしていたのです。

 

日本では税率が高いので、所得があればあるほど国に高い税金を収めなければいけません。 であるならば、このようなタックスヘイブンにペーパーカンパニーを作ってお金をプールしておこうということで、多くの日本企業や日本人がこのような租税回避を行っているのです。

もしもあなたが巨額のお金を儲けたとしましょう。 日本の税率が高いということで、タックスヘイブンを利用した節税の話があれば、それをダメだという人は結構少ないのではないかと思います。

 

さて、問題なのはここからです。

パナマ文書に対する国民の声

まず興味深いのは、テレビメディアとネットでの温度差。

日本政府としても『調査しない』というスタンスで、各先進国とは異例の対応を取ったこともあり、テレビではあまり大きな話題として取り扱わない『パナマ文書』問題ですが、ネットでは大きな反響と議論が巻き起こっているテーマでもあります。

 

日本政府がこのような決断をしたのは、タックスヘイブンによる節税が何もやましくないからなのか、それとも死ぬほどヤバイ案件だからなのか・・・?

『やましくないとして押し通すつもり(笑)』というラインのやりとりがあったかどうかは知りませんが、そういう意図があるとして疑われていることはまちがいありません。

 

しかし実際、いままでこの事が問題視されなかったのには、1つの大きな理由がありました。

それは、ペーパーカンパニーの設立に力を貸している法律事務所などが、それらの情報を厳重に管理していおり、情報開示には一切応じていなかったからです。 各国税当局は、国境の壁もさることながら、一切、手が出せない聖域だったのです(国の法律を変えろと他の国が言えませんからね)。

 

『違法性はないから問題ない』として国で認められているタックスヘイブンを利用した節税対策。 悪用すれば資産隠しが可能であり、マネーロンダリング(資金洗浄)により、戦争を是としている国に巨額のお金が渡ることも指摘されています。

 

なぜこんなことが可能なのかというと、タックスヘイブンの秘匿性の高さが問題だったのです。

『言わなきゃバレない』ということで脱税まがいの(脱税ではないが限りなくそれに近い)節税利用も可能だと考えられます。 だからこそ、パナマ文書が流出するまでは、問題視されながらも、イマイチその実態が把握できなかったのです。

 

そして、日本人を相手に商売をして稼いだお金が、これらタックスヘイブンにどれ位渡っているのかというと、毎年、国家予算を遥かに超える額だと言われています。 たとえ違法ではないからといって、これをこのまま見過ごすわけにはいかないとして、ネット上ではいま、日本の大きな問題として取り上げられているところなのです。

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タックスヘイブンは本当に問題ない?

では、タックスヘイブンは本当に問題ないのでしょうか?

ネット上では『合法なのだから、企業がこうした租税回避をするのは問題ない』という意見と、『国民の目を意図的に欺いた確信的な脱税行為である』という意見が対立しています。

ただ、ケイマン諸島のようなタックスヘイブンにペーパーカンパニーを作るということは、法の目をすり抜けた行為であるという見方が強いんですね。 だからこそ、いまタックスヘイブンを使った所得隠しが発覚した各国首脳陣が退任に追いやられようとしているのです。

パナマ文書でデモが起きたロンドンの様子

パナマ文書とタックスヘイブンの問題点を示す画像(パナマ文書による英国デモの様子)

ただ、何度も言うようにタックスヘイブンを使った租税回避は合法であり、それが適正に利用されているものであれば何も問題ありません。 なぜなら、大企業は多くの雇用を生み出しているし、そのおかげで経済が回っていることは確かなことなので、一方的に責められるものでもありません。

 

では、一体、何をこんなにも大騒ぎしているのかというと、タックスヘイブンによる租税回避のオーバーワークにより、2013年にはすでに、前年の日本の税収を上回る55兆円という巨額のお金が、日本からケイマン諸島に投資されていたこと(オフショアリークス)が再び注目されているからなのです。

タックスヘイブンによる租税回避がいくら合法であるとはいえ、いくらなんでも大企業がこぞってタックスヘイブンを使ってしまえば国が弱体化するのは必然。 しかも、その後、その巨額な資金が国税局の管理からは離れてしまうため、非常に不透明なお金になってしまいます。

 

不況が続き、消費税が上がり、法人税が引き下げられ、国力が低下し続けているのにも関わらず、節税という名目で海外に異常なまでのお金が日本から海外へ流れていってしまう。 違法性はなくとも、庶民の生活は困窮してしまうばかり。 これでは経済は正常に機能しなくなったとしても仕方がありません。

これから世界はどうなっていくのでしょう。

テレビで言っていましたが、世界中の富の99%は世界の1%の人に集中しているそうです。 現実的にこのようなスーパーアンバランスが成り立ってしまうのは、資本主義が成熟しすぎた結果とも言えるのかもしれません。

調査に関わった報道機関によると、日本国内に住所のある約400人の人や企業の情報があったそうですが、一説によると、これでもパナマ文書のリストの1/100程度しか解析されていないと言われています。

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⇒パナマ文書問題まとめ

5月にはパナマ文書の正式なリストが完成すると言われていますが、日本もまったく無関係とは言えない中、日本政府の『調査する意向はない』というスタンスには、少し歯がゆい想いが残るところです。

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2 Responses to “パナマ文書とは?タックスヘイブンの何が問題かわかりやすく解説!”

  1. 常夏 より:

    すばらしいです。面白いです!
    シェアさせていただきます。

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