カエルの楽園(ネタバレ)感想!登場人物・内容・結末を肯定批評!

百田尚樹著『カエルの楽園』の表紙

2016年2月26日に出版された『カエルの楽園』(百田尚樹著)を読んでみたので、ネタバレ込みの感想を書いてみたいと思います。 (これから読もうと考えている方は注意してくださいね^^;)

事前にAmazonのレビューを軽く読んでいたので、登場人物や内容、結末なんかはある程度予測でき(売れ行きが好調だというのも背中を後押ししてくれましたが)、だからこそ、即ポチッと購入ボタンを押してしまいました(笑)

⇒カエルの楽園

【注意】この記事ではどちらかと言うと『カエルの楽園』の肯定批評となりますが、ハナから批判姿勢で捉えている方にはオススメできない内容となっています。

当然、無理してこのような細々と運営している個人ブログを読んで腹を立てる必要もなく、批判的に捉えている方にわざわざ考えを変えて欲しいとも思っていませんのでご安心を。

以上のことをご理解頂いた上で、この先、読み進めていただければと思います。

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カエルの楽園(百田尚樹著)とは?

『カエルの楽園』は、『永遠の0』『海賊とよばれた男』の著者・百田尚樹(ひゃくた なおき)氏が2016年2月26日に上梓した本ですが、寓話になぞらえた日本という国、日本人という国民性を憂えた内容となっています。

ストーリーは以下の通り。

安住の地を求めて旅にでたアマガエルのソクラテスとロベルトが、厳しい世界の洗礼を浴びながら最後にたどり着いた国『ナパージュ』。 ナパージュはソクラテスとロベルトがいままで見たことのないような平和な国でした・・・。

二人は遂に理想とも言える安住の地にたどり着いたと喜びましたが、ナパージュを歩きまわっている内に、そこで暮らすツチガエルたちはどこか奇妙な考えを持っていることに気づきます。

凄惨な世界の現状を見てきた二人にとって、ツチガエルたちが唱える『三戒』という奇妙な戒律にショックを受けるのですが、そこには意外な真実が隠されていたのでした。

 

この『ナパージュ』という国は正に日本を表しており、自分たちに降りかかりつつある問題について客観的に考えさせられます。

作品紹介にも書いてあるのですが、

『平和とは何か?』

『愚かなのは誰か?』

ということを考える上で、中学生レベルならサラッと読めるようなわかりやすい本となっています。

もちろん、そういう意図を持って書かれた寓話なのですが、大衆社会という実態のぼやけた存在を認識する上で非常に役に立ちますし、いわゆる茹でガエルを暗喩しているところからも、緊張感を持って読める内容になっています。

カエルの楽園(ネタバレ)感想!

カエルの楽園の感想を一言で

さて、ここからはカエルの楽園の個人的感想を書いていきたいと思います。

ネタバレも出てくるかと思うので、未読だけど、これから読む予定がある方はUターンしてくださいね(笑)

 

まず、カエルの楽園を読んでいて思ったのは、登場人物が誰(何)を表しているのかが、非常にわかりやすいということ。(登場人物については後述参照)

そして、主人公ソクラテスというゲストという立ち位置のカエルが、ことごとくそれらに触れ、対話し、疑問を抱いていくことで、今の日本の対外政策についておかしな点・矛盾点が浮き彫りになっていくところなどは、普段、政治などに興味がない人でもスムーズで読みやすいように感じました。

実際、登場人物は何かをイメージして書かれてあるのですが、安保法案や尖閣諸島問題など、多くの方が日常のつまらないニュースであると捉えているところを、うまく登場人物に当てはめてストーリーが進んでいきます。

さらに、そのニュースをつまらないと捉えている多くの日本人についても、うまく登場人物に当てはめているので、読みながら当事者感覚を掴んでいけるところが面白いですね。

 

正直なところネタバレをするまでもなく、本を手にする前から大体のオチは予想がついてしまうのですが、だからこそ、ナパージュのツチガエルたちの愚かさが際立ってくる作品です。

ナパージュに暮らす多くのツチガエルたちは、

①カエルを信じろ

②カエルと争うな

③争うための力を持つな

という『三戒の教え』を有難がって守り、そのおかげでナパージュが平和だと信じて疑いません。

しかし、命からがらこの地にたどり着いたソクラテスは、この国が本当に三戒のおかげで平和が保たれているのか疑問を抱き、色々なカエルに話を聞いて回るのですが、どこか釈然としない思いが払拭できません。

そうこうしている内に、ナパージュである事件が起こるのですが・・・。

 

三戒を信じて疑わないナパージュのツチガエルの中には、平和であることだけを享受し、問題にはまるで目を向けないローラという名の若いメスガエルが出てきます。

私は、この歌と踊りが好きなローラが『政治に無関心な日本の若い女性やアイドル』を意味していると捉えたのですが、このローラが最後、ウシガエルに手足を千切られた状態で投げ捨てられたところにショックを受けました。

そして、それと同時に、なんとも悲しい気持ちで『ざまあみろ』という思いを持ってしまい反省しつつも、この後、ローラが最後に呟くあるセリフで物語は幕を閉じるのですが、その言葉がなんとも悲しくてやりきれない気持ちになりました。

 

『戦争は嫌だ』

『争う気持ちが争いを生む』

この考え方自体は、議論するまでもなく正しいことでしょう。

しかし、『カエルの楽園』を読むと、この考え方だけでは不十分であることを痛感させられます。

というのも、ナパージュのカエルたちの多くは無関心で、半ば宗教的に三戒を盲信することにより問題から目を逸らしているからです。(最後まで)

発言力のある者が間違えば、もろとも奈落の底へ突き落とされる展開は有りがちではあるのですが、なぜ、高位にあるものが間違った発言をするのか?というところまで踏み込んでいるのは面白いし、政治に関心のない人でも大きな気付きになると感じました。

読みながら、トンチンカンなことを唱え続けるカエルにイライラするだけでなく、その後ろにちらつく何かを頭に思い浮かべられるので、決して他人事とは思えず、手に汗握る思いを持って読めるのではないでしょうか?

そして本を閉じ、いま日本が狙われていることに対して同じように無関心を貫いていけば、ナパージュが迎えた結末に近いものがこの先で待っているかもしれない…。

そんな風に感じました。

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カエルの楽園の登場人物や結末を肯定批評!

『カエルの楽園』の三戒は、要するに憲法第9条を表しており、物語ではこれらに固執するナパージュの現状と、外の価値観とのズレにより迎える結末が、あまりにも衝撃的な内容となっています。

当然、この結末は、私たち日本人に警鐘を鳴らしていることを意味しているのですが、カエルの楽園という寓話に置き換えることによって、あらゆる登場人物・設定が今の日本を風刺的に捉えられています。

『カエルの楽園』の登場人物や設定を簡単に整理すると以下の通り。

ナパージュ:日本
ツチガエル:日本人
ナパージュの王:天皇
ソクラテス:客観的視点
三戒:憲法第九条

スチームボード:アメリカ
ウシガエル:中国・(ロシア)
南の崖:東シナ海
ヌマガエル:韓国人

デイブレイク:朝日新聞
ハンニバル三兄弟:自衛隊(陸海空)

プロメテウス:自民党
ガルディアン:民主党
ハンドレッド:百田尚樹

フラワーズ:SEALDs
ローラ:アイドル志望の若い女

 

『ハンドレッド=100=百=百田尚樹』『デイブレイク=朝日=朝日新聞』など、名前からその意味がわかるところが面白い本なのですが、余程政治に興味がない方以外は、このように敵味方はっきりしてしまうところが受け付けないかもしれません。

しかしながら、平和ボケした日本の現状において、日本人であるならばしっかりと参加意識を持つべき問題なので、然るべくして世に出た本という感じはします。

つまり、日本という豊かな国土と資源を持ち、疑うことをしらない国民性である日本人というのは、一歩離れたところで見ると、要するに狙われていることがわかるので、これまで危機意識を備えていなかった人にとっては必読の書と言えるのではないでしょうか?

 

もちろん、この本を100%信じろとか、信じる価値0%とか言うつもりはなく、いま大切なのは、完全なる肯定や批判することではなく、主人公であるソクラテスのように、この問題に対して何らかの関心を持つことだと言えるでしょう。

カエルの楽園では悲惨で愚かな結末を迎えることになりますが、わからないから無関心でいるのではなく、客観的にこの問題を捉え、そして、その先に我が身に降りかかってくることについてリアルにイメージすることで、私たちが普段抱えているこの問題の大きさがわかるのではないでしょうか?

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カエルの楽園を読んだ感想としては、寓話にして本にしないと自分たちの抱えている問題さえわからないこの状況が、実は一番憂えるべきことだいうこと。

しかし、私自身、手放しでこの本を賛美しているわけではなく、いままで政治に関心が無かった人が、このような外交問題を知り、考える上で問題提起になるという意味で、素晴らしいと感じているのです。

あくまでもソクラテスの目で世の中を見て、何かを感じることができれば、とりあえず、どんな感想を抱いたとしても『カエルの楽園』が世に出た意味は十分にあったのではないかと思う次第であります。

百田尚樹のツイート

「カエルの楽園」が地獄と化す日

それにしても、ウシガエルはそんなに凶暴なのか・・・(汗)

ということで、今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。

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7 Responses to “カエルの楽園(ネタバレ)感想!登場人物・内容・結末を肯定批評!”

  1. くま より:

    義父に本をいただいて読みました。

    割と初めのほうで登場人物のモデルが読めたので、結末までなんとなく推測できました。
    何といっても読みやすいので、警告本としてはよくできた話だと思います。

    余談ですが、ウシガエルについて調べてみました。
    近くにあるものを片っ端から食べるような貪欲な生き物のようです。
    小さいウシガエルすら食べるという・・・
    かの国のモデルに最適だな、と感心しました。

  2. わん より:

    私も、読みました。
    憲法9条を無条件で妄信している人々への警告としては、
    なかなか興味深い内容で、一気に読み終えました。

    ただ、あえて批判させていただくとするならば、最後の
    展開部分でしょうか。
    最後はデイブレイクもガルディアンも生き残っています
    が、リアルな共産主義者は
    「母国を裏切るような奴は、味方にしても平気で裏切る

    ということで、真っ先に売国奴を処刑するようです。
    ということは、この物語ではデイブレイクもガルディア
    ンも真っ先に食用ガエルとして、アマガエルに食べられ
    なければならないはずなんですが…。
    出来ればその時の、2匹の狼狽ぶりも描いて欲しかった
    です。

    ちなみに、ローラのセリフの部分の脳内再生は、どうし
    ても”あのローラ”の声になってしまったのは私だけでし
    ょうか。

  3. ひろき より:

    約半年積んでおいたこの本をやっと読むことができました。
    寓話の形で良く我らが祖国を表していると思いました。

    自民党は2/3の議席数を獲得したにもかかわらず、憲法9条の改憲に未だに着手する様子も無く、問題の根本は分かっているのにこのまま安全保障をアメリカに頼って行くのか?
    トランプ新大統領が日本撤退を実行すればどうなるのか?なんと無くこの小説の顛末が待っている様な気がします。

    今こそ私たち国民が覚醒しなければならないと感じています。

    また、ウシガエルに占領されても、朝日新聞や民進党はその走狗としてウシガエル国の代弁をして行く事になると思います。そちらの方が間接統治となり、ウシガエル国には都合がいいですしね。

    子ども達にも読ませたい本です。

    尚、逆の方々の意見もお聞きしたいと思いネットを見てましたが、百田氏への悪口は見つけられましたが、どこが小説の投射として違うか?等の建設的な批評は見つけられませんでした。

    甲論乙駁こそが我々の民主主義を高めて行く唯一の方法だと思いますが…残念ですね。

  4. 植民地を捨てさせる より:

    エンエンは泣き声と怨怨と恨を掛け合わせたもの。
    エンエン国では食えば毒になるように自分を落としてエンエン国は食えないエサになって身を守るという。
    支配されたまま、
    支配者にされたことを支配者の仲間の無防備な妻子をねらって恨み晴らしをして支配者に植民地を投げださせた例もある。

  5. 楽園はいずこに? より:

    半年ほど前に読みました。
    いろいろ考えさせられる本ですが、林修先生絶賛の「戦略的思考とは何か」を踏まえるとナパージュはスチームボードと組み続けるのが正解だったということでしょうかね。

    それから設定に追加。
    ツチガエルが捨てた毒は旧日本軍。

  6. ありさい より:

    具体案を一切出さず言論とは程遠い実力行使主体のナパージュ元老院やデイブレイクの盲言、そしてフラワーズの酷さ
    読み進めるほどに現在の日本とリンクしており一気に読み終えることができました
    ただローラの最後の台詞はいくら9条を妄信していても言わない気がしますが、何かに心酔して妄信するというのは誰かに何かやられてもあんなものなのでしょうか?
    9条を盾に現在も政府与党をバッシングしている方々はウシガエルに攻められたらその時でも政府をバッシングしていると思いますし、その時こそ暴力革命を起こすと思っています

  7. 楽園の再生 より:

    「カエルの楽園」続編
    ある時、上流で大雨が降りました。ツチガエルたちは鉄砲水になることを知っており、必死と身を隠しました。また、身体の小さなツチガエルは草や木の根に必死にしがみついて耐えました。ウシガエルはこんな水ぐらいと高をくくっていました。ついに耐え切れずに崖の下まで押し流されてしまいました。押し流されなかったウシガエルでも、五体満足なのはおらず、風前の灯火になってしまいした。生き残ったツチガエルはもう一度、自分たちの楽園を造ろうとし始めました。傷ついたウシガエルを手当てしてあげました。生き残っていたヌマガエルが平然とツチガエルにすり寄ってきました。ヌマガエルは傷ついたウシガエルを足蹴にして、崖から蹴り落としてしまいました。

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