大川小学校裁判の原告はモンスター家族か?金目当てと言われる理由

大川小学校裁判、市議会の様子

石巻市立大川小学校津波訴訟裁判で、地裁の判決に不服申立てとして宮城県と石巻市が控訴する方針を固めたそうです。

この大川小津波訴訟が高裁に持ち越されることで、前回記事大川小津波訴訟判決がおかしい?控訴の争点をわかりやすく解説!でこの大川小学校裁判の争点をわかりやすくまとめてみたのですが、それだけではやはり、なぜこのニュースがここまで話題になっているか伝わりにくいところがあります。

ひとことで言うと『裁判は遺族の金目当てではないか?』ということが話題になっているのですが、今回はもう少し、世間で注目されている『原告側の遺族がモンスターペアレント(モンスター家族)ではないか?』と囁かれているポイントについて迫ってみましょう。

大川小学校裁判の原告はモンスター家族か?

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地裁で行われていた大川小学校裁判(大川小津波訴訟)は、2016年10月26日に原告である遺族側が約14億の賠償金を得ることで勝訴という幕を閉じたのですが、すぐさま相手側の宮城県と石巻市はこれを高裁に控訴する意向を示しました。

前回記事では、遺族側と市・県の争点についてまとめたのですが、遺族側がいわゆるモンスター家族ではないか?という話も出てきています。 ここが非常に興味深いところで、世論を巻き込めるかどうかでこの大川小学校裁判の注目度が変わってくるのですが、原告である遺族側がモンスター家族であるという風潮はあまりよろしくない展開です。

大川小学校裁判、遺族の訴え

なぜ、遺族がモンスター家族と言われるのか?

それは、遺族が県・市が控訴するという話を聞いて、それを決定する市議に個別に働きかけを行い、控訴阻止を図ったことがニュースになったからで、通常、控訴は敗訴した側が不服申立てをして上級裁判所での裁判やり直しを求める手続きであり、これは当然の権利であるからです。

であるならば、市議会に個別に連絡を取って控訴に反対するように働きかけを行なった遺族の方が(どちらかといえば)ルールを破ったことになり、さらに世情に訴えかけた『先生の言うことを聞いていたのに!!』という横断幕も、世間からすると少しやり過ぎの印象を与え、逆効果になってしまったようです。

大川小学校裁判で遺族が掲げた横断幕(遺族が掲げた横断幕の内容)

個人的には『学校・先生を断罪!!』という横断幕の内容は、非常に心象が悪いように思えます。 なぜなら、学校や先生が意図して子供たちの命を奪ったかのような印象を与えるからです。 確かに避難指示に至らない部分はあったかもしれませんが、遺族側のまったく譲歩しない、ある意味好戦的ともいえる姿勢に反感を抱く部分があります。

これが正に、訴えを起こした遺族(死亡した74名の児童の一部の遺族)がモンスター家族と思われる部分であり、言葉は悪いですが、少々、身勝手な印象を与える原因につながっています。

大川小津波訴訟が金目当てと言われる理由

震災直後の大川小学校とその周辺

昼のニュースでは宮城県知事が、避難指示をした教員に対して断罪というのは認められないとして、宮城県・石巻市が控訴する方針を固めたことが報じられていました。

大川小学校裁判(大川小津波訴訟)の地裁判決では、原告の主張が通り、市・県から約14億円もの賠償金を受け取ることになったのですが、これでこの先、高裁にて裁判のやり直しになるでしょう。(おそらく最高裁までいくと思われる)

ずばり14億円は税金なのですが、遺族が金目当てと言われ出した理由はここにあります。 元々、この大川小学校裁判は、日本でも稀有な大自然災害であったことから、裁判の判決がどっちに転ぶか非常に注目されていた裁判でした。 原告が求めていた賠償金は総額23億円だったのですが、裁判では市と県の過失を一部認め、14億円の支払いを命じるという結果になり、世間を驚かせることとなりました。

そこで何もなければ14億円が遺族に入ってきたはずですが、市と県が控訴するとなった途端、遺族は形振り構わず控訴阻止。 もし主張の正当性を訴え続けるのであれば、この控訴阻止は余計なアクションなのではないでしょうか? この行動が世間に違和感を与え、市と県を相手取った14億円という賠償金もあってか、一転逆風となり、遺族は『金目当て』『モンスター家族』ではないかという風潮が強くなってきているのです。

大川小児童の避難経路と行動表(地震発生後の大川小児童の避難経路)

あくまで一般的な見方では、遺族がこの14億円に固執しすぎていると見られていて、真実を白日のもとにさらす裁判での争いが、主張の強い横断幕や市議に直接電話するなどの控訴阻止により、だんだん濁ってきている印象を与えるのでしょう。 決して金目当てではないかもしれませんが、功を焦った行動が大川小津波訴訟に関心を持つ一部の人たちにはそう映ってしまったのかもしれません。

もう少し詳しく見てみましょう。

大川小学校裁判の判決はおかしかった?

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控訴の方針がニュースで報じられ、ここにきて大川小学校裁判(大川小津波訴訟)の判決自体おかしいという意見もネットでは沢山出てきています。 もちろん、賛否両論意見は多数あるのですが、なぜこの裁判の判決がおかしいと言われるのかというと、自然災害の危機管理についてはどう考えても限界があるからです。

それに大川小学校裁判(大川小津波訴訟)の判決が、今後の裁判に判例として取り出されて大きな影響を及ぼすことも考えられるのだけでなく、今回訴訟を起こした家族以外にも同様に愛する家族を亡くした人は沢山いるからです。 誤解を恐れずに言うと、これで原告の19家族に14億円という賠償金が支払われるとなると、裁判を起こさずに身を引いた遺族についてはどう考えたらいいのでしょう?

ただでさえ全国でモンスターペアレント(モンスター家族)が教育現場で問題になっているのに、これでは文句を言った者勝ちのモンスター家族に拍車がかからないか心配になります。 大川小学校裁判で訴えを起こしたのは74名の児童のうち、23名の児童の19家族です。 もちろん、この遺族の親も津波や地震で犠牲になっている場合もあるでしょうが、東日本大震災では2万人もの人が犠牲になっています。

遺族が危険予測ができたと執拗に訴えていますが、誰にでもできるような危険予測であるならば、そもそも2万人もの犠牲者が出るでしょうか? それに避難指示をしていた教員も亡くなっており、本当に的確なできる状況であるならば、教育現場に携わる人間が自らの命を落としてまで、子供たちの命をわざわざ危険に晒すようなことをするでしょうか?

大川小学校と周辺学校の在籍者と被災状況(たしかに大川小だけ死者が多い…)

大川小学校の全校生徒は108名。 生徒と先生の距離は非常に近く、教職員たちが子供たちのことを考えずに避難指示をしていたようには思えません。 結果論では色々な意見が出てきますが、教職員も10人命を落としていることを考えると、遺族が訴える『教師への断罪』という主張は違和感だけが強く残ります。

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子供を亡くしてしまった遺族からすると、モンスター家族になってしまうほど、大きな悲しみがあることは間違いないことでしょう。 その事実は決して変わりません。 しかし、金目当てと思う人がいるのも事実で、非常にデリケートな裁判であることは間違いありません。 そして、大川小学校裁判がこの先、高裁、最高裁まで進むまで決着を迎えないほどこじれているのも、また明らかと言えるでしょう。

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12 Responses to “大川小学校裁判の原告はモンスター家族か?金目当てと言われる理由”

  1. トウリスガリ より:

    大川小学校教職員に全く非はないと考えます。
    こんな自然大災害は誰も予知出来なかったからこそ2万人もの人々が犠牲になったのです、大川小学校の教職員10名も亡くなっておられます、そもそも本来大川小学校は災害避難所指定地です、原告側が主張する 何故裏山に逃げなかったか とは、これは結果論 です、当時教職員は全員必死の思いで生徒を守ろうとしたと思います
    想像も予知もできなかったからこそ多数の方が亡くなったのと違いますか、結果論をたてに賠償金よこせとはあまりに恥ずかしく情けないですね、   私は亡くなった教職員の家族の心情を察します。

    • くり より:

      これが大川小学校ではなかったら、こんなことにはならなかった、と思うから遺族が怒ってるのだと思います。

  2. 危機感のない教師に殺された子供たち より:

    結果論にしても、事態に対して最善の判断ができなかった県や市に責任がある。

    税金投下は君たちが、今まで役人を甘やかしてきた結果だ。
    しょうがない。

    近所の小学校の避難訓練のレビューでも情報公開請求してみたら?
    クソの役にも立たない資料があるか、レビューしてませんだけどね。

    • 当時危機感のなかった県や市に責任がある?
      当時はみんな危機感なんてなかったと思うんですけど。
      事件前から津波や地震に危機感を持って行動していた人間なんて皆無だと思いますよ。
      なのに事件が起こってから、危機感が無かったとか、あーだーこーだーと難癖を付ける。
      やってる事はヤクザや朝鮮人と一緒であり、ほんと見苦しいです。
      だから遺族は金目当てとか言われるんです。
      実際金目当てなんでしょうけどね。

  3. お猿さん より:

    私の判断基準では 故意でない限り責任は問いたくない。
    一生懸命して 裏目に出れば仕方がないじゃないの。
    ただ なんだかの思惑があり手を抜いたとなれば別。
    故意であれば法的 刑事罰などの制裁処置をとると思う。

  4. 匿名 より:

    自然災害なんだから誰にも責任は無いよ。
    以前に津浪災害があった場所だし、それが嫌なら津浪災害が少ない場所に住めばいい。

    亡くなった人達には申し訳ないが運が悪かったとしか言えないと思うよ

    先生達だって命をかけて子供達を守ろうとしたんだ。

    高額な損害賠償をして、何億円もらっても亡くなった人は帰ってきません
    難癖つけてお金をもらって楽しいか?
    裁判するヒマがあるなら故人を偲びは手を合わせろよ

  5. 危機感のない教師に殺された子供たち より:

    >当時はみんな危機感なんてなかったと思うんですけど。
    何のために小学校の避難訓練が義務化されているの?

    >高額な損害賠償をして、何億円もらっても亡くなった人は帰ってきません
    そもそも教師が判断ミスをしなければ、この裁判自体ないわけ。
    だから税金投下する必要もなかったわけ。
    あと原告が割りあわない裁判をしてる事、想像つかない?

    教員も子供たちを守ろうとしてくれたと私も信じてる。
    でも結果、教員の判断ミスで自身の命と多くの子供の命を失った。
    くやしいけど、それが全て。

    ところで近所の小学校の避難訓練のレビュー情報公開請求してみた?
    次に行政に殺されるのは君達の子供なんだな。

  6. 危機感のない教師に殺された子供たち より:

    —-
    仙台地裁(高宮健二裁判長)

    「市の広報車が高台への避難を呼びかけていることや、ラジオで津波予想を聞いた段階では、教員らは津波が学校に襲来することを予見し、認識した」と認定。その上で、「津波を回避できる可能性が高い裏山ではなく、避難場所としては不適当というべき(川沿いの)交差点付近に向かって移動しようとした(生存教諭を除く)教員らには、児童らの死亡回避義務違反の過失がある」と指摘した。
    —-

    市の広報車や避難途中の住民に高台に避難しろって言われてるのに「高台の裏山にのぼる途中でケガしたらどーするんだって」
    グランドから高台の裏山に避難しなかった。

    要は教師が、ここにいたら死ぬかもしれないって危機感を残念ながら感じることが出来ず最悪の結果となった。

    最高裁まで争う裁判。相手は県と市。いくら金積まれても割が合わない。それでも原告は、子供をもつ親に同じ思いをしてもらいたくないから戦ってくれている。

    金目当てとか言ってる心身貧乏人に教諭の判断ミスで死んだ子供の叫び声は聞こえないよな。

    「先生、ここにいたら死ぬよ」

  7. 匿名 より:

    過失のある人にはどんな暴言を言ってもいいのでしょうか?お互いののしりあいになるだけで何もいいことはないと思います。和解という形が一番いいのかなと思います。

  8. 青井 宙 より:

    事故検証委員会が、しっかりした検証を行っていば裁判に発展することはなかったと思われる。詳しくは、以下の本をごらんください。
    『石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する』
    この「検証委員会」は、民間企業である「株式会社 社会安全研究所」(東京)であり、お金はいただくが、市教委・遺族双方が納得できるものではなく、市教委の方に偏った内容になっている。
    これは、企業が発注者側つまりお金をくれる側を有利にしただけで終わっている。
    「検証委員会」が第三者になり得ないのは、委員選任に問題があり、遺族からの推薦人を加えることを前提に構成しなければならないと思われる。
    それから、学校という組織は、一般住民とは異なり、養育者が安心して子どもを預けられるものでなければなりません。このことから「学校管理下」で、子ども74名・教師10名が亡くなった責任は、その管理者にあるのは明らかです。市教委はハザードマップに記されていない場所というが、避難マニュアルに避難場所もなく、訓練も行っていないのはどういうことでしょう。訓練を実施していば、迅速な避難が可能だったのではないでしょうか。その指導も行っていないのではないですか。悔やまれます。
    現地に行ってみれば、良く分かります。地裁判決の結論は正当なもので支持できます。「金目当て」と誹謗する犬役がいますが、犬になって再発させるつもりでしょうか。
    死亡・行方不明者全員のご冥福をお祈りいたします。

  9. くり より:

    批判している方々、まず「あのとき、大川小学校で何が起きたのか」を読んでみて下さい。

    なぜ、裁判で争わざるを得なくなったのかが分かります。

    休みが明けても児童の安否を確認しにも来ない校長。
    先に山に逃げ、その後真実を話さず辞めていった教諭。
    保身のために明らかにしなかった形だけの説明会。
    行政の対応の遅れから、身内や地元の人々が子供たちの遺体を必死で拾いあげた様子。
    本当に地獄図のようでした。

    もしあの時普通に下校していたなら、助かった命は沢山あったはず。
    (学校の権力で)学校に留まったがゆえに子供たちは亡くなった、という事実は消せないです。
    教師とは、命を預かるという点では、軍隊の指揮官と同じ役目を担っているのかもしれません。

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