東芝が2017年倒産しそうな会社になった原因をわかりやすく解説

東芝、ウエスチングハウス原発

東芝が2017年に倒産しそうな会社に入っていると噂されています。

前回記事では、東芝が今年2017年に倒産する可能性の前に、虎の子の半導体事業を切り離すことで最悪のケースは免れることができるとお話しました。

そもそも東芝が倒産の危機に陥っているのは原子力事業での7000億円規模の損失が原因なのですが、なぜそんな事態を招いてしまうことになってしまったのか?

今回はその辺りをできるだけわかりやすく解説していきたいと思います。

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東芝が2017年に倒産しそうな会社になった現状

東芝が2017年に倒産しそうな会社になっているという現在の状況は、私たち日本人にとっても驚くべきことではないでしょうか?

昨年末に東芝が発表した原子力事業の大赤字では、2017年中に倒産する可能性まで噂されたほどで、そのダメージは計り知れません。

2015年度の5000億円規模の赤字に続き、2016年度の7000億円にものぼる原子力事業の巨額損失の計上は、東芝グループ解体に現実味を帯びさせるには十分過ぎる要因です。

 

まず、2016年12月。

東芝は原子力事業に巨額損失があると発表。

その巨額損失というのは、東芝の子会社ウェスチングハウス(WH社)が『0円』で買収した米原子力サービス会社ストーン&ウェブスター(S&W社)の抱えていた7000億円規模の巨額損失のこと。

 

要するにババを掴まされたってことです。

このババを売りつけたのが、S&W社の親会社である米大手エンジニアリング会社シカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン(CB&I社)なのですが、もともと試算されていたS&H社の資産価値(のれん代)は105億円でした。

 

しかし現実は105億円ではなく

マイナス7000億円

という大誤算。

 

2015年に東芝を危機に陥れた(といっても自業自得ですが)水増し不正会計後の再建計画は、この2016年末の原子力事業での巨額損失発覚により完全に崩壊。

2期連続の5000億円規模の赤字により債務超過を招いてしまっては、当然そこには倒産の可能性も出てくるわけですが、ではなぜ東芝がこのようなことになってしまったのか、わかりやすく解説してみたいと思います。

※のれん代:M&Aなどの際の買収額と純資産額の差

東芝が倒産寸前になった理由をわかりやすく

東芝ウエスチングハウスの買収から巨額損失発表までの経緯引用元:週刊東洋経済

東芝の失敗はどこからなのか?

それは2006年に東芝がエネルギー部門として原子力事業に約6000億円で買収した米原子力サービス会社ウエスチングハウス(WH社)からでした。

そして2008年からWH社ストーン&ウェブスター(S&W社)は米国の原子力発電所の建設を共同で受注。 しかし、このプロジェクトは福島原発事故に伴う規制強化や人員不足による工期延長などで、発注元(米サザン電力とスキャナ電力)とコスト負担を巡って巨額の訴訟が続くといった事態に…。

さらにWH社S&W社でも意見が分かれるため、「これでは調整に時間を取られ本来の仕事に集中できない」として、東芝が2015年に親会社である米大手エンジニアリング会社シカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン(CB&I社)から、今回巨額損失を引き出したS&W社を買収することになったのです。

 

ちょっとややこしく感じたかもしれません。

ポイントは、東芝の子会社であるWH社と、米大手エンジニアリング会社CB&I社の子会社S&W社が、アメリカの原子力発電所の建設をしていたけれど、発注元と追加コスト負担の問題で訴訟が深刻化していたこと。

 

工期が遅れれば遅れるほどコストはかさんでいく(赤字が増えていく)…。

なんとかプロジェクトに集中できる環境を整えなければならない。

そこで出てきたのが、S&W社を買収する案です。

 

東芝にとって原子力関連のエネルギー事業は半導体関連事業にならんで主力なので、失敗だけはなんとしても避けたいというのが本音としてあったのでしょう。

このS&W社の買収には2つのメリットがありました。

 

表向きのメリットは、先ほど説明した通り

WH社S&W社の意見調整を解消すること

です。

そしてもう一つのメリットは、

発注元やS&W社との和解により係争の具体的な中身が世間に知られずに済んだこと

です。

 

ここがなんともきな臭い。

2015年の水増し不正会計が発覚したときも、東芝は十分な根拠もなく、WH社の損失額を引き下げて処理報告していた経緯があります。 結果的に2016年3月期には約2600億円の損失を計上することになったのですが、それに加えて今回浮き彫りになった巨額損失。

不正会計については、すでにマスコミが東芝の原子力事業の減損逃れだと嗅ぎつけていましたが、今思えばS&W社の『0円』買収自体、ただ単にそれらの実態を隠すための係争にフタをしたかっただけだったのかもしれません。

しかし、その損失がここまで莫大だとは…。

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東芝が倒産の一途を辿った原因とは?

東芝の子会社ウエスチングハウス(WH社)ストーン&ウェブスター(S&W社)を買収し、2016年末にS&W社の資産価値を再評価したところ、その価値なんとマイナス7000億円という結果であることが明らかになりました。

 

なぜこんなクソを東芝が掴んでしまったのか?

この原因については、単純にWH社シカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン(CB&I社)に騙された説。

そして、もともとWH社が隠していた負債が明らかになった説があります。

どちらにしても社員19万人を抱えた大企業が絶対にやってはいけない失敗です。

東芝グループが解体の危機を迎えるほど、さらにリストラされる社員も増えるのは間違いないですし、関連企業や下請け会社も経営が立ち行かなくなって路頭に迷うなんてことも当然出てきます。

東芝、ウエスチングハウス社ロゴ

なぜこんな愚かな道を歩むことになってしまったのでしょう。

ただ冷静にこの現状を見つめてみると、東芝ほどの大企業でこれほどまでの巨額損失が突然浮かび上がってくること自体がおかしな話です。

本当は2011年に起きた福島第一原発事故の時点でWH社の企業価値は大幅に下がっていました。

そうであるなら、2015年の不正会計より以前の段階でその資産価値を計上すべきだったのですが、ここにもまた裏の意図が隠されています。

それは原発事業を推進している『国策』の存在です。

  • 債務超過を避けたい東芝経営陣
  • 原発事業の頓挫を避けたい国の事情

 

結果はご存知の通り。

毎年コストが下がっていく自然電力に対し、事故や地震が起きる度にコストが上がる原発事業は思うように進めないのが現状があります。

2006年に東芝が突然原子力事業に舵を切ったことについては当時から疑問の声が多かったのですが、その裏に国策と絡んだ思惑があったことを考えれば合点のいく話。 それが10年後の2017年、東芝グループの解体の危機に陥れることになるとは…、何とも皮肉な話です。

そう考えるとS&W社の0円買収は、東芝にとっては後には引けない選択だったとも言えるでしょう。

東芝2017年度までの損益表

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ということで、今回は東芝が倒産寸前に追い込まれるまでの経緯を説明してみました。

東芝関連のニュースやコラムでは、東芝経営陣の体たらくぶりも倒産の原因としてよく引き合いに出されていますが、わかりやすく解説するために今回はその辺りは省きました。

東芝関連の最新ニュースでは、原子力部門を統括しWH社の社長を務めていた志賀重範会長が引責辞任したと報じられていましたが、東芝の社員たちはどのような思いでこれらのニュースを見ているのか?

このあたりの説明責任が果たされない限り、負債の波に巻き込まれた人は決して納得しないでしょう。

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