シリアの化学攻撃にトランプがミサイル制裁!わかりやすく解説

シリアに向けて発射された米軍のトマホークミサイル

2017年4月7日、シリアの化学攻撃への対抗措置として、米・トランプ大統領がミサイル59発をシリアに向けて発射したというニュースが流れていました。

4月4日、シリア北西部の反体制派が支配する地域で起きた空爆は、猛毒神経ガス『サリン』を使用した化学攻撃とみられ、一般市民や子供たちまで犠牲となり、100人以上が死亡、400人以上がけがをする被害がでています。

4月6日、59発ものトマホークミサイルを発射した米軍の攻撃は、化学攻撃を行ったアサド政権に対する制裁で、トランプ大統領も「越えてはならない一線をいくつも越えた」と声明を出しています。

今回はこのシリアの化学攻撃とトランプ大統領が行ったミサイル制裁について、できるだけわかりやすく簡単に解説していきたいと思います。

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シリアの化学攻撃で子供たちが犠牲に

シリアの化学攻撃による被害者のこども

2017年4月4日、シリア北西部で猛毒神経ガス『サリン』を使用した空爆による化学攻撃があり、100人以上が死亡、400人以上がけがをしました。

空爆のあった場所は反体制派が支配している地域だそうですが、住民には反政府勢力とは関係ない一般市民もいて、そこには多くの子供たちも含まれていました。

このニュースは世界中に報道され、多くの人たちが外傷がないのに苦しむ子供たちの姿に衝撃を受け、恐れ悲しみました。

 

シリアでは内戦が泥沼化し、世界中で最も戦火のある地域と言われているのですが、シリア内戦はアメリカやロシアとの関係性を含めると、シリア周辺の情勢を見極めるのが少々ややこしく感じると思います。

例えば化学攻撃とみなされる空爆の後、アメリカは『シリア政府(アサド政権)の攻撃だと見ている』と言ったのに対し、シリア政府は『うちはやってない』と声明。そしてロシア政府も『私たちじゃないぞ』と言う始末。

「じゃあ、誰がやったんだ?」

という話になるのですが、これだけでもシリア内戦の情勢がどれだけ異常なのかが伝わっています。

シリア内戦の情勢については機会があればわかりやすく解説したいと思いますが、対立している勢力を大きく分けると以下の通りになります。

シリア政府軍(アサド政権)

シリア反政府武装勢力(反体制派)

IS(イスラム過激派)

クルド人勢力(ロジャヴァ)

今回、アサド政権が反体制派に対してサリンを使った化学攻撃を仕掛け、子供を含む一般市民を巻き込んだということで、人道を外した卑劣な無差別攻撃に怒ったアメリカが制裁を加えた形になります。

シリアの化学攻撃は誰がやったかわからない?

シリア政府の軍空港

ただ、この問題を少々混乱させているのが、シリア政府(アサド政権)が

うちは(化学攻撃など)やってない!

と声明を出しているところ。

当然ですが、シリアの化学攻撃という人道を踏み外した行為に対し、アメリカが素早く対応したことについては国際的に大きな評価を得たことは間違いないのですが、トマホークミサイル59発という只ならぬ軍事攻撃から考えても、トランプ大統領が冷静さと慎重さを欠いていないか心配する声もあることは確か。

 

 

ただ、シリア政府の声明については嘘である見解が有力です。

シリアで空軍を持っているのは政府軍だけですし、ロシアもわざわざ化学兵器を使って市街地への攻撃を仕掛ける理由もないので、アサド政権が指示した空爆である可能性が非常に高いのです。

それに、2013年にもアサド政権下でシリア政府が化学兵器を使った攻撃をした過去もあります。(実際にアサド政権が化学兵器を使ったと認めていませんが、オバマ政権が軍事介入寸前でロシアが仲介に入り、化学兵器の全廃を約束に米軍の攻撃を回避したことからも化学兵器使用の疑いは濃厚)

2013年、シリアの化学攻撃について

日本のメディアでは『アサド政権が嘘つきである』と断定するような言い方はしませんが、今回の化学攻撃のような非人道的な空爆に対し、知らぬ存ぜぬのシリア政府の姿勢を見ればそれは明らかではないでしょうか。

 

ちなみに、シリアと仲のいいロシアが「反体制派の化学工場をシリア軍が爆撃したんじゃないか?」という説もあるのですが、アメリカ側はこんこロシアの主張を否定しています。

ロシアに関しては、国連でシリアを擁護しているところからもアサド政権側だと見られているのですが、先程のオバマ時代に米国の軍事介入の仲介についてのメンツを潰されたことや、ロシアがこれまでトルコとシリアのの仲介役などを買って出ていたことから考えても、プーチン大統領はかなり怒っていると考えられますね。

ただ、世界中でシリア・バッシングが起きている中で、これ以上ロシアがシリアを守るのも厳しくなってきたので、今回の米軍の攻撃を黙認するしかなかったのでしょう。

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トランプのミサイル制裁をわかりやすく解説

レッドラインとは、越えてはならない一線を意味します。

このレッドラインという言葉はオバマ大統領時代からシリアに向けて使われており、トランプ大統領もこれを指摘した上で、「シリアの独裁者アサドが恐ろしい化学兵器で罪のない市民を攻撃した。化学兵器の使用と拡散を防ぐことはアメリカの安全保障上の重要な利益だ」と強く非難しました。

今回、シリア政府(アサド政権)が行った化学兵器による空爆は、国際的にも越えてはならない一線であることは間違いなく、トランプ大統領もシリア政府の空軍基地に向けて59発のトマホークミサイルを発射する軍事的制裁を加えることとなったのですが、そこには色々な意味が隠されていると言われています。

今回はその辺りをわかりやすく解説していきましょう。

シリアに向けて発射された米軍のトマホークミサイル

まず、今回のシリアへの攻撃はトランプ大統領にとって、初めての本格的な軍事行動となりました。

標的は、シリア政府の空軍基地にある軍用機、滑走路、燃料施設で、複数のアラブメディアによると、米軍が発射したトマホークミサイルはシリア西部・ホムス付近の空軍基地(化学兵器使用疑いのある基地の近く)に着弾したとのこと。

その際、アメリカは事前にロシア側に攻撃を予告し、そこに駐留するロシア軍(ロシア機体)は標的になっていません。これは単純にロシア軍は無関係であり、あくまでもシリア政府が行った戦争犯罪に対するものであることがわかります。

北朝鮮への課題を語るトランプ大統領

今回のミサイル制裁は、「トランプ政権においてのアメリカは『軍事行動のカード』が切るぞ」というメッセージが込められているのがポイントです。非常にわかりやすい意図ではあるのですが、対米関係においてプレッシャーを与える良い機会でもあったともいえるでしょう。

これは当然、北朝鮮に向けての遠回しな威嚇であり、習近平国家主席との米中首脳会談が行われている中で、中国の北朝鮮への付き合い方について脅威を示すかたちになったのではないでしょうか?

 

最後に、これを機に戦争に発展することはあるのか?

前提として、強大な軍事力において紛争を解決することが、却って状況を悪化させることになることくらいアメリカも十分にわかっています。故に、今回のシリアへのミサイル制裁が戦争に発展することはないと睨んでの決断であることは明白。

それを証明するのが、シリアの空軍基地にあるロシア軍の地対空ミサイルがアメリカのトマホークを迎撃していないという事実。

簡単にまとめると、トランプ大統領がシリアにミサイルを発射した意味というのは、『これ以上好き勝手なことをさせまいとした北朝鮮への牽制とそれに対する中国からの支援』と、『一般市民や子供を狙ったアサド政権の戦争犯罪に対する軍施設の破壊による世界中からの支持』の2つが大きなポイントとなります。

習近平国家主席と会談するトランプ大統領

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一見、目には目をという感じに見えなくもないですが、化学攻撃という禁じ手を出すシリアの内戦の恐ろしさもさることながら、今回の米軍のミサイル制裁は一線を越えた国には容赦しないというトランプ大統領のメッセージを打ち出す良い機会になったことは確かでしょう。

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