アメリカが北朝鮮を攻撃できない理由と2017年米朝戦争の可能性

カール・ビンソン空母打撃群

2017年に日本が戦争に巻き込まれる可能性について、鮮明に予想していた人はどれくらいいたのでしょうか?

日本が巻き込まれる戦争というのはアメリカと北朝鮮のいわゆる米朝戦争なのですが、2017年4月というのは非常に緊張状態の続いた1ヶ月間でした。

まず、米中首脳会談の直前に北朝鮮が日本海に向けてミサイルを発射し、米中首脳会談のさなかにトランプ大統領が、化学兵器を使ったシリアに対しトマホークミサイル59発の軍事制裁を加え、北朝鮮への軍事的けん制を表明。その後、カール・ビンソン空母打撃群を朝鮮半島へ向かわせ、お互いにらみ合いが続くといった状況です。

朝鮮半島を取り巻く軍事情勢

考えてみれば2017年4月というのは、北朝鮮が核実験やミサイル発射をする可能性が非常に高い月だったことがわかります。昨年4月15日太陽節(故・金日成主席の誕生日)では新型の中距離弾道ミサイル『ムスダン』を発射し、今年4月25日の朝鮮人民軍創建記念日は今回85回目の記念日となるので、これまでの北朝鮮の傾向から考えれば、今回のようなアメリカのけん制がなければ高確率で核実験かミサイル発射がなされていたに違いありません。

もちろん、まだまだ予断を許さない状況であり、北朝鮮が核ミサイルをちらつかせ「日本列島が沈没しても後悔するな」と発言している限り、日本にいつミサイルが落ちてきてもおかしくはないと言えるのですが、本当にそんなことが起きるのでしょうか?

アメリカが北朝鮮を叩けば話が早いという見方もあるのですが、実はアメリカにはそう簡単に北朝鮮を攻撃できない理由もあります。

今回は、アメリカと北朝鮮が戦争を起こす可能性について詳しく見ていきましょう。

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2017年米朝戦争の可能性

2017年4月7日、米中首脳会談のさなかにアメリカが発射したトマホークミサイルは、シリアの空軍施設に大きなダメージを与えることとなりました。これはトランプ大統領就任後初めての軍事行動であり、トランプ大統領の行動力を世界的に印象づける出来事でした。

そしてその直後、一小国を壊滅させる攻撃力を持ったカール・ビンソン空母打撃群を朝鮮半島に向かわせたことで、アメリカと北朝鮮が戦争状態にまで発展する可能性も指摘され始めるようになり、現在ではお互いが引くに引けない状態です。

トランプ『調子づくなよ、この野郎』

金正恩『こっちからやってやろうか、あん?』

トランプと金正恩の風刺画

北朝鮮にとって2017年4月は自国の軍事力を示す大きなチャンスがある月だったのですが、その機会をアメリカのけん制で潰されたことにより、北朝鮮の言動が以前にも増して挑発的なものになっています。

核を積んだミサイルを保有していることを前提に、「韓国は一撃で灰になり、日本列島は沈没し、アメリカ本土には核が降りそそぐ」などと全面戦争や核攻撃も辞さない構えを見せ、それを言葉半分と受け取っても『無茶苦茶』としか言いようがありません。弱い犬ほどよく吠えると云いますが、この数年間で北朝鮮のミサイルの精度は上がってきているので、核やサリンなどを弾頭に載せることもできるとの見方も強まっている今、北朝鮮の挑発は決して無視できるものではないでしょう。

ただ、このように非常に息巻いている北朝鮮ですが、実際に米朝戦争にまで至る可能性というのはどれくらいあるものなのでしょうか?

北朝鮮のミサイル各種

北朝鮮は、水爆からICBMに至るまですべての攻撃の用意があると言っていますが、要はその本気度がどれくらいなのかが気になるところ。元々、その指標が『核実験』だったわけですが、現在、北朝鮮はその機を伺いつつも、核実験を飛び越えて『先制攻撃も覚悟しておけ!』と脅すようになってきています。

いまや北朝鮮は、アメリカや日本や韓国だけでなく、オーストラリアに対しても「アメリカへの無条件かつ熱狂的な追随をやめなければ核ミサイルで攻撃する」と言ったり、中国に対しても「我々との関係に及ぼす破局的な結果も覚悟すべき」と言ったり、ほぼ全方位に喧嘩を売るスタンスで立ち回っています。

このような挑発的な言動や先制攻撃の示唆をするメリットは、もちろん金正恩体制の独裁国家のメンツを守ることもあるのでしょうが、それ以上に北朝鮮が追い詰められているとも考えられるので厄介です。恐怖心からできるだけ大きな破壊を望み、ミサイルの照準が身近な韓国や日本に向けられることも有り得るので、あまり大きな刺激を与えられないのが問題となっています。

アメリカが北朝鮮攻撃しない理由

米軍のミサイル発射

実際の北朝鮮問題は、金正恩(キム・ジョンウン)を排除すれば良いという流れになっています。

アメリカと北朝鮮が戦争をすれば、アメリカが圧倒的な軍事力で北朝鮮を崩壊に導くことになるでしょう。しかし、シリアへの攻撃がそのまま北朝鮮に当てはめられないのは、同じことをすれば米国軍人や韓国に暮らす米国人やその他の国の人にも被害が想定されているからです。その時がくれば日本や韓国に火の粉が降り掛かり、最悪の場合、国民から多数の死傷者が出るかもしれません。

現在の金正恩体制が崩壊すれば、おそらく朝鮮半島は韓国が統一することになると思いますが、38度線の境界が取り払われることは、1989年のベルリンの壁崩壊以来の歴史的出来事になります。ただ、現在でも西と東での格差が残っているように、朝鮮半島統一になったとしても、結果として問題の多い道であることは見逃せません。

ベルリンの赤い雨

元々、アメリカにとって北朝鮮の存在は必要悪でした。

北朝鮮の存在があったからこそ、日本が在日米軍を受け入れることに納得していたし、それは韓国も同じです。さらにアメリカは有事を想定して日韓両国に高額な兵器を売ることができたというメリットもあります。国防を理由に莫大な利益を生むために『北朝鮮』は都合の良い存在だったのです。

オスプレイ

しかし、トランプ大統領になってからは、北朝鮮の核弾頭ミサイルの保有は見過ごすことのできない悪に変わったのです。

それがいわゆるレッドライン。

逆に、そのレッドラインを超えなければアメリカは北朝鮮を攻撃する気がないとも考えられます。

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戦争まで発展しない可能性について

アメリカや中国にとって最高のシナリオは金正恩の亡命ですが、これは北朝鮮という存在を残したままの方がお互いの経済的なメリットが大きいからだと言えるでしょう。仮にアメリカが北朝鮮の挑発に乗れば、戦争による人的被害だけでなく経済的なダメージも避けられません。特に韓国には欧米資本の企業が多く入り込んでいるので、シリアへの空爆とは天秤にかけているものが違います。

北朝鮮が感情的に戦争を煽っているものの、アメリカや中国はもう少し冷静に駒を進めているように見えます。国際的批判を買うことをわかっていながら空爆を起こしたり、お金にならない戦争を起こす可能性は低いとみるのが自然です。目線を変えれば、シリアへの空爆もカール・ビンソン空母打撃群への北上も、トランプ大統領の大胆な交渉術の一環のようにも思えるので、メディアが煽るほど戦争が秒読み段階ではないのかもしれません。

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アメリカや中国が『北朝鮮の核は厄介だけど、政治的な体制転換までは望んでいない』と考えているのも、お互いの利害を計算した上でのこと。要するに、これまで通りアメリカにとって都合の良い必要悪であって欲しいけど、金正恩にお灸をすえたい気持ちが出ているのが今の状況。

ただ、北朝鮮という必要悪が生み出していた経済的メリットを考えると、アメリカがおいそれと北朝鮮攻撃できるものでもありませんし、今後、戦争まで発展する可能性はほとんどないという見方も頷けるところがあります。

もちろん、核実験さえなければ…の話ですが。

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2 Responses to “アメリカが北朝鮮を攻撃できない理由と2017年米朝戦争の可能性”

  1. aaa より:

    アメリカ本土にはすでに数えきれないほどの工作員が潜入していて、本当にアメリカがおそれているのは、これら工作員による破壊行動ではないかと思われます。

  2. 小さな宇宙人 より:

    一寸見方が甘いですね。米国が先制攻撃できない理由は他にあります。1つは、米国民で戦争をやりたくないと思っている人が多い為に先制攻撃が出来ないのです。大東亜戦争の時の日本のように相手が先に手を出して、世論が戦争止むなしになる迄待っているのです。2は、北朝鮮はアリの巣のように地下に迷路を作っています。だから何処にミサイルがあるかの全容が把握しきれていないのです。もし先制攻撃をして1基でもICBM(があるとすれば)が残り電磁波パルス攻撃でもされたら米国が壊滅し兼ねないからです。斬首作戦というものもありますが、金正恩には替え玉が4人いると言われ、本物を斬首する事が難しいのです。但し、手をこまねいていて、ICBMが完成し米本土に届くようになったら、北は先制攻撃をするでしょうから、やるなら早い方が良い。。やるなら今でしょ。

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