北朝鮮がロフテッド軌道の弾道ミサイル発射!日本が危険な理由

ロフテッド軌道、北朝鮮弾道ミサイル

2017年5月14日、北朝鮮が再び弾道ミサイルの発射を試みたというニュースが流れていました。

北朝鮮が放ったミサイルは30分間飛行し、およそ800キロの地点(日本海)に落下したそうですが、稲田防衛大臣は記者会見を開き『ロフテッド軌道』と呼ばれる新型の弾道ミサイルではないかという見方をしていました。

北朝鮮が軍事行動を起こせば戦争が秒読みと言われている中、特に緊張感の解けないこの5月の最中に新型弾道ミサイルを発射させる理由や意図は何なのでしょうか?

そして、このロフテッド軌道のミサイルは日本にとって非常に危険だと言われているのですが、その理由についても詳しく見ていきたいと思います。

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北朝鮮がロフテッド軌道の弾道ミサイル発射!

2017年5月14日の朝、北朝鮮が弾道ミサイルを発射しました。

なぜいつもミサイル発射が朝なのか疑問に思うところもあるのですが、問題はそこではなく、北朝鮮とアメリカとの軍事衝突の緊張感が高く、韓国の次期大統領が決まったばかりの5月に、北朝鮮がミサイル発射を強行したのかというところ。しかも今回は、新型の『ロフテッド軌道』の弾道ミサイルと見られています。

ロフテッド軌道を簡単に説明すると『標準よりも角度を上げて高く打ち上げること』です。通常の弾道ミサイルよりも遥かに超えた高さまで打ち上げて迎撃できない軌道を描くもので、地上より2000kmも高く上がるとのこと。この5月14日に発射されたロフテッド軌道のミサイルは、北朝鮮の新型の中長距離弾道ミサイル『火星12』と位置づけられ、今回の発射も成功したのではないかと見られています。

そして2017年5月14日の北朝鮮の新型弾道ミサイル発射は、タイミング的にもやはり何らかの意図や目的があったと見られています。この日、習近平国家主席が「2017年でもっとも重要な国際会議だ」と位置づける『一帯一路サミット』(世界130ヶ国)が中国で開幕される日であり、そこにはロシア・プーチン大統領も参加しています。韓国に至っては、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が誕生してからまだ4日しか経っていません。

そういった中で、北朝鮮がロフテッド軌道という高度2000kmまで上がる新型の弾道ミサイルと発射することは、周辺隣国にとっての脅威に他ならないだけではなく、アメリカにとっても決して無視できない話となります。つまり、高度2000kmのロフテッド軌道で発射されたということは、グアムやハワイが射程距離に入ることになるからで、事実上、北朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)が完成したとも受け取れます。

余談ですが、こうなってくるとアメリカのサイバー攻撃説は何だったのかと思ってしまうのですが、やはりサイバー攻撃によるミサイル無効化という甘い夢には期待しない方がいいかもしれません。ただ、北朝鮮がこのような新型の弾道ミサイルを持っているという情報が広まったことで、私たち日本にとっても緊張が高まったことは間違いありません。

ロフテッド軌道ミサイルが日本にとって危険な理由

ロフテッド軌道、北朝鮮弾道ミサイル、図解

ロフテッド軌道の中長距離弾道ミサイル『火星12』発射は、日本にとっても大きな脅威となります。

ロフテッド軌道の弾道ミサイルが日本にとって危険な理由は単純で、最大高度2111.5kmまで上昇飛行して落ちてくるロフテッド軌道の弾道ミサイルの場合、レーダーがギリギリまでミサイルを捉えられないので迎撃率がさらに下がるからです。

これまでの北朝鮮の大陸間弾道ミサイルに対し、日本の自衛隊が2段構えで迎撃する準備があるというのはすでにご存知の通りですが、これが一段構えになってしまう恐れがあるので危険だと言われているのです。野球で例えるなら、ライナーはボールの軌道が見えるけれど、ボールを見失うほどのバカ高いフライは捕りにくいという感じでしょうか。発射地点からレーダーで軌道をキャッチできるミサイルと、日本の上空に突然現れるミサイルでは、どちらが危険なのかは明白です。

ロフテッド軌道により大気圏の遥か上方へ飛ばし着弾が成功したということは、日本の迎撃のチャンスを奪うことができるという意味なので、日本にとっては大きな危険が増したことに繋がるでしょう。

ただ、ミサイルの精度についてははっきりしていないとのことで、これを安心と見るか、怖いと見るかは意見が分かれると思います。ただ、今回の北朝鮮の新型ミサイルの発射について、アメリカや韓国は、北朝鮮当局が言うようにそれなりに成功したとの見方をしているので、少なくとも2017年の4月以降の緊張状態のピークは収まったとはいえ、5月になった現在も緊迫した状況は何も変わっていないと言えるでしょう。

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北朝鮮が弾道ミサイルを発射する理由

北朝鮮が弾道ミサイルを発射する理由は主に2つあります。

ひとつは国際社会において、自国の存在感を脅威によって示すこと。そしてもうひとつは、兵器開発を進めて中東の闇市場取引で外貨を得るためです。

もちろん、その大きな理由として北朝鮮国家の富国強兵政策があるのですが、今回の新型『ロフテッド軌道』弾道ミサイル発射がそこに大きな意味をもたらすことは言うまでもありません。

日本にとっては迎撃の難しいミサイルという印象が強いのですが、アメリカにとって北朝鮮が高度2000kmというロフテッド軌道のミサイルを約800km先の日本海に着弾させたことは、これまでで一番強い出力を持ったミサイル発射実験を成功させたということに他なりません。

つまり、通常の(低い)軌道であれば4500~5000kmくらいまで飛ぶパワーを有していることになるので、これをICBM(大陸間弾道ミサイル)として考えれば、北朝鮮の軍事力は大きな脅威を秘めていることになります。これは北朝鮮が存在感を発揮するだけでなく、このような兵器が闇市場で高い値段をつけて取り引きされることも考えられるので、直接的な意味はないにしても、北朝鮮にとっては色々とメリットがあるということですね。

今回の北朝鮮が発射したロフテッド軌道のミサイルについて、日米両政府は対応がより確実となる迎撃ミサイル・海上配備型SM3の改良型(ブロック2A)を想起に導入したい考えを示しているようです。やはり日本に落ちる可能性は否定できませんし、危機感を抱かざるを得ない状況になっていることは確かでしょう。今後はより迎撃率を高めるために、実績のある陸上型イージス『イージス・アショア』や『THAAD』の配備も視野に入れたほうがいいかもしれません。

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