JASRACはしつこい?ヤマハ支持多数の音楽教室著作権問題

JASRAC本社

日本音楽著作権協会(JASRAC)がヤマハやカワイなどの音楽教室から著作権料を取る問題で、音楽教室の最大手であるヤマハがJASRACに対し「音楽教室での演奏には著作権は及ばない」として提訴する方針を固めたとニュースで報じられていました。

以前より、ヤマハやカワイ、島村楽器など7つの企業・団体が『音楽教育を守る会』を結成し、「音楽教室に対しても著作権が発生するのは当然」と主張するJASRACに対抗する構えを見せていましたが、双方の異なる主張を見守る人たちはこの問題をどのように受け止めているのでしょうか?

ネットで調べる限りでは、「音楽教室での著作権使用を問題ないだろう」と考えている人が多数を占め、JASRACが「いくらなんでもしつこい」「カスラックいい加減にしろ」と叩かれる傾向にあるようです。

音楽教育を守る会発起人の主張

どちらが正しくて間違っているのかについては、今後の裁判ではっきりしてくるでしょうが、今回はそれぞれ対立する意見について、わかりやすく解説していきたいと思います。

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JASRACはしつこい?著作権について

まず、日本音楽著作権協会(JASRAC)が何をしているところか簡単に説明しておくと、その名の通り『膨大な音楽作品の著作権を管理している団体』となります。

つまり音楽の『歌詞』や『楽曲(メロディ)』の使用があれば、著作権の利用としてお金を徴収されるわけですが、それをまとめて管理しているのがJASRACということですね。

では実際にどういったところから著作権を得るのかというと、テレビやラジオでの楽曲使用などが有名です。私たちもお店や営利的に人が集まるところで市販曲を流したりすれば、著作権が発生してお金を支払わなければなりません。

カラオケ

フィットネスクラブ

カルチャーセンター

ダンス教室

歌謡教室

すでにこれらの音楽を使用して営業するような場所で、JASRACは楽曲使用の著作権料を徴収しています。

そして今回、JASRACが音楽教室がターゲットにしていることが波紋を呼び、色々な意見がかわされることとなりました。

よく「JASRACは自分たちの権利に関してしつこい」なんて言われていますが、これは2003年からヤマハと著作権交渉をしてきたという背景があるからです。

しかし、いくらJASRACが「しつこい」と言われようとも、音楽家たちの権利を守っていることを忘れてはいけません。彼ら作詞・作曲家が、個々で著作権を管理するというのは不可能ですし、今のような時代ですと市販の楽曲を利用して他人がお金を得るということもできてしまいます。なので、楽曲権利者がJASRACに著作権管理を委託するというのは、ある意味必要なことであると言えるでしょう。

個人的な話ですが、私自身、著作権の切れたクラシック音楽を個人的にアレンジした曲をYouTubeに上げていたころ、YouTubeチャンネルごとパクられたことがあります。楽曲は30個くらいあったのですが、なぜかその動画を作った私のチャンネルが消され、別の誰かがそっくりそのままアップしていました。

面倒くさいので放置していますが(今でもそれが残っているのは悔しい)、JASRACがこういう不正が行われないように管理してくれていると考えれば、ある程度厳しく徴収するスタンスというのは必然の権利なのかもしれません。

JASRACの主張は時代に合わない?

CDの売り上げ推移

これまで音楽とともに人生を歩んできた人にとっては、今のような時代は音楽好きの人間にとっては本当に恵まれた状況と言えるでしょう。たとえば、AmazonのPrime Musicでは100万曲の楽曲が聴き放題ですし、流行歌でなければ昔のリマスター版などが手軽に聴けたりするので重宝しています。

90年代や00年代前半くらいまでは10曲入りのCDアルバムに3,000円支払うのが当たり前の時代だったのですが、YouTubeやネットラジオの普及によって多くの音楽が無料で聴くことができるようになるとともに、CDの売り上げはどんどん下がっていくようになりました。しかし今はそれも当たり前となり、その反動もあってか『いままで音楽にお金を取りすぎていた!』という反発の声も上がり、その矛先がJASRACに向けられているところがあるのでしょう。

たしかにCDが売れなくなり、中間業者を削ったダウンロード販売に変わってから、ミュージシャンや作詞・作曲家が音楽で飯が食えなくなりつつあります。『JASRACの音楽著作権料の徴収はエグい』という話もよく耳にしますが、著作権を管理しているJASRACも同様に音楽不況の波を受けているわけなので、多少しつこく徴収する姿勢は崩しませんし、背に腹は代えられない経営状況なのかもしれません。

しかし、それが今回、ヤマハなどを相手取った音楽教室への著作権徴収により、さらに世論の逆風を受けることになっているのです。

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ヤマハ支持多数の音楽教室著作権問題

JASRACが音楽教室で使用される楽曲からもお金を取るとして、ヤマハを主体とした『音楽教育を守る会』と裁判沙汰になっています。

要するに『音楽教室での演奏に著作権は発生するのか?』ということを法的に争うわけですが、世の中の流れとしてはヤマハ支持が多数。JASRACとしては暗雲立ち込めるといった状況です。

では、なぜこのような状況になっているのか、『音楽教室からお金を取ることに反対!』というヤマハ支持の人たちの意見をまとめてみました。

  • そもそも著作権者が音楽教室からお金を取ることを望んでいるのかが疑問。
  • 子供がいるような音楽教室で、高い楽譜を買い、高い楽器も買う。そこへ楽器演奏に著作権が発生すると授業料も当然高くなるので、いくらなんでもやり過ぎ。
  • 音楽文化の発展を止めるような考え方。
  • これ、数年分遡って徴収するんでしょ?無理あるよね…
  • 権利権利で金を巻き上げる団体にしか思えない
  • 音楽教室から著作権ってなんでもアリだな
  • 天下り役員が高い報酬を受け取って、本当に音楽家に適正な著作権が還元されているのか疑問
  • どう考えてもヤマハを応援する
  • 音楽教室は音楽鑑賞する場所じゃないから、著作権云々というのはおかしいのでは?
  • 外で聴ける音楽すべてからお金を取るつもりか?
  • CDが売れなくて困ってるんだろうけど、音楽教室から著作権を徴収するのは結局自分の首を絞めてるだけだと気づいて欲しい
  • JASRACの主張はわかるけど、なんか寂しい世の中になってきたな

世論は感情で動くと言いますが、日本の音楽業界の衰退に輪をかけるような今回のJASRACの主張は、やはり今の寂しい世の中に対する反発といえるのかもしれませんね。

昔はCDアルバムに3,000円、CDシングルに1,000円を当たり前のように出していましたが、今はそういった売り上げがまったく期待できない時代ですし、その埋め合わせとして、このような音楽教室からの著作権徴収の流れは必然とも言えるでしょう。

JASRAC対ヤマハに対するみんなの意見ツイッター上ではヤマハ支持が圧倒的

ただ、音楽バブルは90年代までで終わっていますし、いまはハイレゾなど楽曲データの方がCDよりも音質が良いとされているので、JASRACがいくら正論を振りかざしても時代に追いついていない印象を受けます。というのも、YouTubeなどでもシングル曲は高画質PVとして無料で配信されていますし、時代の流れを呼んでいるミュージシャンは、ライブやコンサートなどで『体験』を売るといった方向転換をして生き残っています。

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もちろん、JASRACのような著作権を管理する団体は必要ですが、こうした時代の流れを読めば音楽教室からの徴収にさすがに角が立つので、これも自然の成り行きなのかもしれませんね。

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