睡眠負債とは?たった1時間の違いで乳がんのリスクが1.6倍?

睡眠負債と乳がんのイメージ

普段、あまり感じられない睡眠不足でも、知らず知らずのうちにたまってくる睡眠負債。

2017年6月18日にNHKで放送された『NHKスペシャル 睡眠負債が危ない』では、睡眠時間とガン・認知症の発症リスクの関係について、たった1時間の違いで乳がんの発症リスクが1.6倍という驚きの結果もありました。

睡眠負債というのは自覚がないのが大きな特徴ということで、睡眠不足は慣れの問題だと考えていた人にとっては意外な事実と言えるのではないでしょうか。

今回は、睡眠負債とは何か? そして、その問題点と解消法について、わかりやすく解説していきたいと思います。

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睡眠負債とは?

睡眠負債とは、まるで借金のように積み重なる睡眠不足のこと。

最近の研究結果によると、この睡眠負債によって重大な病気のリスクが増えることも明らかになってきているのです。

とはいっても、大げさに言ってるだけでしょ? そう思うかもしれませんが、ガンや認知症などのリスクにつながるというものなので決して無視できません。さらに脳の働きが低下する要因となっているので深刻です。

毎日、1-2時間程度のちょっとした睡眠不足が積み重なって生まれる眠りの借金。年を取ってくると、これが大きな病気につながるかも…。気づかぬうちに負の遺産を抱えることにならないように、日頃の睡眠を見直す必要があるといえるでしょう。

実は睡眠不足大国と呼ばれる日本。2011年に厚生労働省が行った調査では、5人に1人が何らかの睡眠障害を抱えているそうです。

2015年の調査では、日本人の平均睡眠時間は約6時間20分程度。これは主要先進国の中では最下位レベルの睡眠時間の短さで、一般的に理想的な睡眠時間が7時間前後だと言われている中で、日本人は平均的に睡眠不足ということになります。

逆に危ないのが、5時間未満の睡眠時間の人。睡眠時間が5時間に満たないと色々な病気にかかりやすくなり、結果的にそれが原因で死亡率が上がってくると言われています。

睡眠負債を気にしない男

しかし、5時間も6時間もそう大差ないと考えてしまいがちですが、睡眠負債はそこに注意する必要があります。たとえ元気に見えていても、わずかな睡眠不足が繰り返されると、やがてそれが蓄積されていき、それが『睡眠負債』となってしまうのです。

問題は『寝足りない』という自覚がないことであり、日常的な習慣として6時間睡眠を2週間続けた場合の脳の働きは、1晩徹夜した時と同じ働きになってしまうという研究結果もあるそうです。

実際、この実験を受けた人は「よく寝た」という感覚を持っているそうですが、睡眠負債はしっかりと体内に蓄積されているとのこと。理想的な睡眠時間が7時間前後であるにもかかわらず、わずか1時間の睡眠不足が続けば脳の働きの低下は避けられないということになるのです。

但し、高齢者は長時間睡眠は難しいので、65歳以上なら6時間程度の睡眠でも問題がないそうです。

睡眠負債のない高齢者イメージ

たった1時間の違いで乳がんのリスクが1.6倍?

結論から言うと、日常的な睡眠時間が6時間だと睡眠負債がたまっていくということです。

理想的な睡眠まで後たった1時間のことなのですが、睡眠負債を抱えると仕事や家事のパフォーマンスが落ちてしまったり、重大な病気のリスクが増えたりする可能性があるのは、何とも怖い話です。

また、たった1時間の違いで乳がんのリスクが1.6倍になるという研究結果もあります。

東北大学が、女性およそ2万3995人を対象に、睡眠時間と乳がんの発症リスクを7年間追跡したところ、平均睡眠時間が6時間以下の人は、7時間寝ている人に対して1.6倍の乳がんのリスクがあることがわかったそうです。

睡眠負債のリスク

2017年6月にニュースキャスターの小林麻央さんが34歳という若さで亡くなりましたが、女性にとって乳がんは非常に深刻な問題として暗い影を落としています。早期発見には乳がん検診を受けるなどの積極的な行動が必要ですが、睡眠と乳がんの因果関係でこのような調査結果が出ているとなると、睡眠負債について無視できないところがあります。

なぜこのようなことが起きるのかというと、私たち人間は良質の睡眠を摂ることによって免疫力を高めたり、老廃物を除去したりするのですが、睡眠負債がたまってくるとこれらの働きが弱まってきます。

早稲田大学研究戦略センターの枝川義邦教授によると、睡眠負債が原因による免疫細胞の働きの低下によって、ガンの発症リスクが高まる可能性が出てくるので、男性であれば前立腺がん、女性であれば乳がんの罹患率が高くなるとのこと。

さらに、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病についてもリスクが高くなるそうです。

これら生活習慣病は、睡眠不足になると、交感神経が働きやすくなって血圧が高くなりがちになったり、インスリンが効きにくくなったりすることからリスクが高まると言われています。

つまり、免疫力を高めるために、しっかりとした睡眠時間が必要ということですね。

睡眠負債で認知症のリスク増大?

睡眠負債によって、さらに危険だとされているのが『認知症』に関するリスク。

スタンフォード大学の睡眠生体リズム研究所の西野精治所長らの研究によると、働き盛りの時期に十分な睡眠をとっていないと、数十年先に認知症になるリスクが増大することを指摘しています。

アルツハイマー病の原因物質に『アミロイドβ』というものがあるのですが、これは普段、寝ている間に脳から血液などに排出されるもの。しかし、睡眠時間が不足していると、脳から『アミロイドβ』を排出する機会が失われて蓄積されていくことになります。

アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβは、発症の約20-30年前から蓄積するのが定説。ここでもやはり自覚がないことが特徴となっているので、睡眠不足には十分気をつけなければなりません。

つまり、しっかり寝ている人よりも認知症のリスクは高いと言えるでしょう。

睡眠負債かんたんチェックリスト

寝不足の女性

自分が睡眠負債を抱えているかどうか気になった方は、簡単にチェックできる方法があるので紹介しましょう。

寝付きが良い

起きて4時間後も眠い

両手を水平に伸ばし、目を閉じて30秒間片足立ちができない

このチェックリストは朝のワイドショーで紹介されていたものですが、少なくともこの3点が当てはまる人は睡眠負債を疑ったほうがいいかもしれません。但し、高齢者の場合、3番目の『目を閉じて30秒間片足立ち』は怪我すると危ないので、目を開けた状態で行うようにしてください

まず『寝付きが良い』ですが、一般的に睡眠が足りている場合は10~15分くらいまどろんでから寝るそうなので、『寝付きが良い』というのは睡眠不足の兆候であるとのこと。

2番目の『起きて4時間後も眠い』というのも、一番脳が活発になる時間帯に反作用が起きているので、睡眠が足りていないことが原因。

そして3番目の片足立ちができないというのは、セロトニン不足により筋肉の動きが鈍っているからで、これも睡眠不足で脳が目覚めてないからセロトニン不足が起こっていると考えられるそうです。

さらに詳しい睡眠負債チェックについては、NHKのサイトがわかりやすいのでこちらも参考にしてみてくださいね。

⇒睡眠負債リスクチェック

チェックの結果により睡眠負債の疑いがある場合は、睡眠を多くとるように心がける必要があるということですね。

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睡眠負債の解消法

では、睡眠負債を解消するにはどうすればいいのでしょうか?

結論からいうと、睡眠負債を返済する近道はなく、毎日の睡眠時間を確保することが重要です。

言い換えると、土日の休みに寝だめをしたからといって、睡眠負債を根本から解消することはできないということです。

では、一番良い解決策は何なのでしょうか?

それは『毎日1時間早く寝る』ということです。

つまり、睡眠負債を解消する時にいちばん大切なのが『生活リズムを崩さない』ことで、地道に睡眠時間を確保できる生活スタイルに戻さない限りは、睡眠による負の遺産は残り続けるのです。

そこで、生活リズムを崩さずに睡眠をコントロールするために、『毎朝、15秒間太陽の光を浴びる』と良いとのこと。人間の体内時計は朝にリセットされます。太陽の光を浴びることで睡眠を司るメラトニンの分泌がストップし、そこから約16時間後に眠くなるようになっています。

睡眠負債を解消する朝陽のイメージ

朝起きたらまず、窓際に行って約15秒間朝陽を浴びて体のタイマーをリセットしておくと、規則正しい睡眠をとりやすいということですね。

もし、早く寝るのが難しければ、いったん起床時間を同じにして、陽の光をあびて体内時計を動かしてから、二度寝をしたり、昼寝をしたりして生活リズムを調整するのがベターです。このようにすれば体内時計は一定に保たれるので、ぜひ参考にしてみてください。

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とにかく、平均睡眠時間が6時間だと睡眠負債がたまっていくので、毎日1時間早く寝ることを心がけるようにしましょう。そうすることで、日中のパフォーマンスも上がり、乳がんをはじめとする生活習慣病や認知症のリスクも下げられるでしょう。

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