准看護師が同僚に睡眠薬を飲ませた事件…老人ホームの闇が深い

千葉・老人ホーム、准看護師の睡眠導入剤混入事件

2017年5月15日、千葉県の老人ホームで准看護師の女(71)が、同僚(69)の飲み物に睡眠導入剤を混ぜ、それが原因で交通事故を起こさせたとして逮捕された事件がありました。

警察によると、この准看護師は同年6月にも別の同僚への傷害容疑で逮捕されているようで、さらに施設では同年2月にも別の同僚が交通事故で亡くなっている件も明らかになっており、現在はこの事件でも関与がなかったか調べているとのこと。

2017年2月にも同施設の同僚が交通事故死している不可解な同僚の交通事故死

以前、私も介護福祉士として福祉の現場で働いていたことがあるのですが、なんとなく老人ホームで働く高齢の准看護師が抱く闇を感じてしまいます…。

個人的に非常に気になるニュースなので、今回はこの事件について詳しくみていきたいと思います。

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准看護師が同僚に睡眠薬を飲ませた事件

2017年6月、千葉県の老人ホームで働く准看護師(73)が、同僚(69)に睡眠薬を盛り、意図的に交通事故を起こさせたとして、殺人未遂の疑いで逮捕された事件がありました。

千葉・准看護師が睡眠導入剤混入で殺人未遂

事件が起きたのは同年5月15日。逮捕された准看護師は、千葉県印西市にある勤務先の老人ホームの事務所内で、車で帰る同僚らに睡眠導入剤を混ぜたお茶を飲ませて殺害しようとしたとのこと。

准看護師が盛ったお茶を飲んだ夫婦2人(同僚の69歳の女性と71歳の夫)は、帰宅途中の車の運転中に意識が朦朧とし、ワゴン車と正面衝突。まったく無関係なワゴン車の運転手(56)を巻き込む大きな事故となり、3人は重軽傷を負ったそうです。

さらに、この准看護師の女は、殺人未遂で逮捕された同じ月にも別の同僚に対する傷害で逮捕されているだけでなく、同年2月にまた別の同僚が交通事故で亡くなった事故についても関与がないか調べられているのです。

逮捕された准看護師は別件で傷害事件も起こしている逮捕された准看護師は別件で傷害事件も起こしている

めちゃくちゃヤバイ。

そんな立て続けに同僚が交通事故を起こす職場があってたまるか!と言いたいところですが、横浜の大口病院が迷宮入りしたのと同じように、事件性がなければ司法解剖をすることもないので、この辺りの裏とりができるのかは気になるところです。

今回、たまたま准看護師の気の迷いが引き起こした事件というより、このように周辺で疑わしい事故が連続して起きているとなると、他に余罪があると考えるのが自然というもの。しかしなぜ、職場でこんな事件が起きてしまうのかが問題なのではないでしょうか?

老人ホームや介護現場の闇について

2月に交通事故死した同僚の家族2月に交通事故死した同僚の家族

同僚や業務上で関わる人が絡んだ事件でダントツに闇が深いのが、医療や介護などの福祉現場です。

実際に私も福祉業界で働いていたからこそわかるのですが、常に『給料が安い』『仕事がきつい』『人間関係がツラい』といった悩みがつきまとっています。もちろん、給料や仕事、人間関係で大変なのはどこの職場でもあることですが、福祉業界では『やりがいのある仕事という無言のプレッシャー』と、『他業種に転職しづらい現実』がついてきます。

介護の仕事をしていると、時々褒めてもらえることがあります。これは看護師をしている友人も同じことを言います。他の人からみると、他人の世話をする仕事というのは、どうやら聖職者のようにみえるみたいです。ネットでは底辺の仕事と揶揄されたりしますが、実際は労をねぎらってくれる人や利用者さんの家族というのは意外に多く、そこにやりがいを感じる人も大勢いることは確かなのです。

しかし、介護や看護の現場は常に人員不足。

そこには現実的な『給料が安い』という問題があります。

介護職員平均給与額

給料が安いとどうなるかというと、良い人材が集まりません。良い人材が集まらないと、真面目に働くことがバカバカしくなって、不真面目だったりいい加減だったりする人ばかりがそこに定着することになります。それが今の医療や介護現場が抱える問題だと言えるでしょう。

冒頭の言葉をまとめると、給料が安くても転職できないから逃げ場所がなく、仕事がきつくてもやりがいという言葉でケツを叩かれる。そんな状況だからどんどん職場の人間関係が悪化してきて、色々なストレスを抱えながら仕事をすることになる…、そんな感じなのです。

もちろん皆が皆、そうではありませんし、人のお世話が『天職』だという人もいます。ただ、その反面ストレスを溜め過ぎて、闇落ちする人が出てくるのもこの業界の特徴ではないでしょうか。

闇落ちとは『社会的弱者である利用者への虐待』『職場でのいじめ』などがそれにあたります。ひどい場合になると、相模原市障害者殺傷事件や川崎市老人ホーム転落死事件、横浜市大口病院点滴事件など、歪んだ感情から多くの命を奪う人も出てきます。

【関連記事】
相模原・障害者施設殺人事件の犯人に共感の声?世の中が悪い方向へ

准看護師が睡眠導入剤を入れる決定的瞬間准看護師が睡眠導入剤を混入した決定的証拠

2016年12月9日には、愛知県東海市の介護施設(デイサービス)で、職員11人が相次いで体調不良を訴えるという事件がありました。この事件は、従業員用の休憩室にあったお茶に睡眠導入剤が入れられていたというものですが、犯人が捕まったという報道がないとはいえ、時間帯からみて犯人は身内(職員)の可能性が高いと言われています。

愛知県のこのデイサービスでは(当時の)月給の手取りが12万円台後半くらいだと考えられますが、あまり裕福な生活ができる金額ではありません。いわゆる安月給なのですが、デイサービスならどこに転職しても手取り20万円を超えることはないでしょう。

転職すると、また新人としてやり直ししなければならないので、そこには厳しい現実が待っています。

そんな人たちが自分のテリトリーを守り合うのが福祉現場の現実であり、人によっては利用者や患者よりも「自分の方が可哀想」だと考える人も少なくないのです。

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介護福祉現場の准看護師について

千葉県の准看護師が、車を運転して帰るとわかっている同僚に睡眠薬を飲ませたことは、最悪のことを想定した上での犯行だった考えられます。

命の尊厳を知り、看護にあたる職に就きながら、その知識を立場を悪用して睡眠薬を盛ったことは決して許されることではありません。

半年前から様子がおかしかった老人ホーム半年前から異常な事態だったようだ

今回の事件については、個人的な怨恨や歪んだ性格によるところが大きいことは間違いないのですが、個人的には『准看護師であること』『犯人の女が高齢であること』『老人ホームであること』も、この事件を読み解く上で重要な意味を持っているような気がします。

まず看護師には、『正看護師』と『准看護師』とがあり、医療現場においては業務できる内容に差があります。もちろん、正看護師の方が幅広く看護の業務を行うことができるので、実際に病院で働くと准看護師は立場的に下になります。

正看護師と准看護師の違い正看護師と准看護師の違い

しかし介護現場では、正看護師の資格を活かせず、給料面で割に合わないので、准看護師がメインで働く場合が多くなります。常に人員不足の介護福祉業界とって常勤で働いてくれる准看護師はありがたい存在。そして、同僚の介護職員よりも立場的にも給料的にも上になるので、自分が偉くなったと勘違いする准看護師が出てきたりするのです。

老人ホームは病院と違い、看護師の数は少人数です。

逮捕された准看護師が働いていた老人ホームの施設長やさしそうな施設長ではある…

すると、薬の管理や利用者さんの治療に関して不備があったときに、問題点を指摘する人がいないという状況が生まれます。老人ホームのような介護施設は基本的に閉鎖的な空間なので、最悪の場合、今回のように事件にまで発展することもあるのです。

そして、高齢者であればあるほど、自分の居場所を守ろうとします。高圧的に相手を服従させるのか、協調するように相手を取り入れるのかは人それぞれですが、逃げ場所がない分、トラブルがあったときのストレスは大きなものとなるでしょう。

介護や医療など福祉の世界で、このような人間関係トラブルや事件にまで発展する虐待が絶えないのは、貧困への恐怖がひとつの要因となっていることは間違いありません。

千葉県の准看護師が同僚に睡眠導入剤を飲ませて殺害しようとした事件は、福祉業界が抱えている闇の部分が色濃く出てしまった。そんな気がしてならないのです。

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