年金問題75歳から受給も検討…年金制度は本当に破綻しない?

年金受給開始75歳からを検討

大きな爆弾を抱えた年金問題。

現在、年金の受給は60歳から70歳の間で選択することができますが、これからは75歳からの繰り下げ受給も検討したいといった意見が、内閣府の有識者検討会から出ていることがニュースで報じられていました。

もちろん、これは75歳まで年金が受給できないということでもなければ、ただちに実現しようという取り決めではありません。しかし、受給年齢の選択範囲を引き下げることで、この先も少しずつ受給額の調整を図ろうとする意図が見え透いているので、このニュースを知った国民のから反発の声が多く上がっています。

「年金はすでに破綻してるんじゃないか!?」と、現行の年金制度に対して不安視する人も少なくありません。

厚生年金の破綻厚生年金の受給額は年代によってこんなにも違う

いずれ私たちもお世話になるであろう年金制度ですが、本当のところは大丈夫なのでしょうか?

今回はこの問題について詳しくみていきましょう。

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年金問題75歳から受給も検討

今後加速するであろう国民年金問題も、少子高齢化に伴い、受給開始年齢を最大75歳まで引き下げるといった意見が検討会で出ているようです。

2017年7月18日に行われた有識者会議で、座長の前慶応義塾長・清家篤氏は「もっと先まで繰り下げ支給の幅を広げる可能性もある」と、この問題について前向きに検討していく意向を示していました。

現在、年金の受給開始年齢は原則65歳として、60~70歳の間で選ぶことができるようになっています。表向きは『働ける高齢者を支援する』という理由となっていましたが、今後、さらに75歳まで受給開始が繰り下げられれば、その分年金財政をプールしておくことができるので何かと助かるのでしょう。

実際問題として、60歳や65歳で定年退職した後、新たに仕事に就くアテがない人が多いことを考えれば、『働ける高齢者を支援する』という話は、一部の人に限定された都合の良い理由づけのように思えます。

というのも、現在年金を貰っている高齢者は別として、これから年金を受け取ることになる50代・40代、あるいはそれより若い世代の人間からすると、定年退職をした後の仕事のことについて夢が持てないからです。年寄りだから夢を持つ必要がないと思うかもしれませんが、これまで社会貢献してきた人に対して、「高い受給率で年金を受け取りたければ、定年後しばらくは安い賃金で我慢して働け」となっている現状の年金制度は、いささか薄情だと感じます。

それを『支援』などと言って、一方的に制度を変えていくのはおかしな話ではないでしょうか?

年金制度は本当に破綻しない?

年金の今後のイメージ

すでに年金制度は破綻しているのではないか?

ネットではよく見かけるこの疑問についてですが、誤解を恐れずに言うと年金制度はそう簡単に破綻しないようになっています

どうして破綻しないのかというと、国が破綻を認めない限りサラリーマンたちから自動的に年金保険料を徴収することができるからです。果たして、国がこの打ち出の小槌を手放すことがあるでしょうか?

つい最近も、年金保険料の強制徴収を『年収350万円以上』から『年収300万円以上』の収入に引き下げ、納付率を向上させるという話がありましたよね。

これに加え、今回のように『働ける高齢者を支援』などといって、支出(今後年金が支払われる人たちへの支出)を下げることによって何とか切り抜けていこうとしているので、年金制度そのものが完全に破綻することは考えにくいでしょう。

しかし、私たちにとっては、年金制度が破綻するか破綻しないかは問題ではなく、老後の生活に対して国がどのような支援をしようとしているのかが問題です。年金保険への支出のバランスが取れても、定年後の貯蓄がなかったり、仕事に就けなかったりすれば意味がないからです。

  • やりたいと思える仕事がなかったら?
  • 生活していけるだけの蓄えがなかったら?
  • 家族が介護を必要としていたら?

定年退職をして会社を放り出された後、余生をサポートする役目だった年金がそのハシゴをかけるタイミングを先延ばしにすれば、他に多くの問題を引き起こすことになるのは目に見えています。

今、シルバー人材センターなど、高齢者の働き口をサポートする動きが盛んではありますが、その多くが経済的に余裕があるわけではありませんし、働ける環境に身を置いたとしても給料はそれほど多くありません。もっと言えば、働かざるを得ない高齢者にとって、決して優しい社会だとは言えないからです。

年金が破綻したと言われる理由事実上終わってる年金も、果たして上の層の人たちが破綻を認めるでしょうか?

年金が破綻しない(させない)理由について、国会議員などの上級国民様がしっかりそのお金を受け取るためだと皮肉を言う人も居ますが、経済格差が広がっている今の状況を考えれば、それは当たらずといえども遠からずいった感じでしょう。

そもそも、年金破綻の大きなキッカケを作ったのは、グリーンピアを始めとする年金積立金の無駄遣いをした国に原因があるにもかかわらず、彼ら官僚たちは手厚い年金(国家公務員共済)で守られてるところからしておかしな話です。

お上が責任を取ることもせず、自分たちのパイを守ることだけ考えているから、年金問題はまったく解消の糸口が見出だせないのかもしれません。年金制度の身勝手な改変について、国民から不服が出るのは至極当然のことなのです。

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75歳からの支給はやがて80歳になり…

今回、75歳からの年金支給を検討しようという話がありましたが、これがやがて80歳になり、85歳になるのは目に見えています。断言してもいいでしょう。

75歳まで年金を受給しないと希望する人がどれくらいいるのかはわかりませんが、そもそも誰も望んでない制度改変をすることについて、不安や違和感を抱くのが庶民感覚です。

サラリーマンの場合、年金保険は給料から天引きされる仕組みになっています。毎月自動的に引かれている税金みたいなものなので、あまり自覚がないかもしれませんが、現在徴収されている年金は、それを払った本人のために国が積み立ててくれているものではありません。ゆえに、そのお金が必ず自分のところへ返ってくる保障はないのです。

だからこそ、最低10年間は年金を支払わなければならないというルール(下記リンク先参照)がありますし、基準に満たなければ払い損ということも起きてしまいます。つまり、今私たちが支払っている年金保険料は、現在、受給されている人の元へと渡っているものなので、純粋な貯金でもなければ投資でもありません。

【関連記事】
年金受給資格が10年に短縮!法案成立の裏の意図をわかりやすく解説

元々、原則60歳から支払われるものだった年金制度ですが、改変を繰り返すことによって、かなり微妙な老後の恩恵に変わりつつあります。今の若者世代にとっては、そんな恩恵などはハナから存在してなかったと言う人もいるかもしれません。

要するに、「自分たちの時に年金が支払われる保障がないんだったら、今の生活のために払いたくない」という人が増えてきているのです。

年金を支える現役世代の人数これじゃあ若い人たちが可哀想だ…

ただ、国はどれだけ内情がズタボロでも『年金が破綻する』とは絶対に言いません

今回のように75歳から受給可能といった布石を打ち続けながら、とめどなく改変を続けていくだけです。そして結果として、経済格差に苦しむ貧困層を真綿で首を絞めるように追い詰めていくことになるでしょう。

日本人の総貯蓄額1,600兆円のうち、65歳以上の占有率が1,100兆円と言われています。このお金をうまく引き出さないことには、年金受給年齢をいくら繰り下げたところで意味はありません。

年金問題について、国は本当にトンチンカンなことばかりしていると呆れるばかりです。国が年金を破綻させることはありませんが、国が経済オンチであることも知っておかなければ、割を食うのは私たちの方だということは間違いない話です。

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