夜釣りの親子が川で転落死…なぜ事故が?母親が不憫でならない…

東京江東区猿江、横十間川

2017年7月31日、東京都江東区猿江の横十間川で、夜釣りをしていた親子が川で死亡したというニュースが報じられていました。

夜釣りをしていたのは47歳の父親と9歳の長男の二人。31日午前2時25分ごろ、「夜釣りをしていた夫と息子がいない」と母親から110番通報があり、約4時間後に約100メートル下の下流の川底で発見されたそうです。

横十間川は都会にある流れのない川で、水深も1.5mほどだったそうですが、このような場所でなぜ事故が起きたのでしょうか?

父親が子供を連れて夜釣りに出かけたことについては賛否両論ありますが、わが子に夏の楽しい思い出づくりをしてあげようとした親の気持ちを考えると、胸が締め付けられる思いです。

しかし、それ以上に、残された母親が不憫でなりません。

今回はこの事故については、夏にかならず起きる水難事故の教訓として、私たちが学ばなければならないことが多いように感じました。これから詳しくみていきましょう。

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夜釣りの親子が川で転落死

夜釣りをしていた夫と子供がいなくなった

2017年7月31日午前2時25分ごろ、東京都江東区猿江の横十間川で、「夜釣りに出かけた父親と息子がいなくなった」と、母親から110番通報がありました。夜釣りをしていた横十間川のポイントは自宅から近く、午前2時過ぎに母親が様子を見に行くと、川岸に釣り竿や点けられたままの懐中電灯が残されていたとのこと。そして約4時間後の午前6時20分頃、釣りをしていた場所から約100mほど下流の川底で、親子が心配停止の状態で発見さることとなりました。

父親(47)は東京消防庁職員で、子供(9)は小学4年生の長男だったそうです。

警察庁深川署によると、親子は30日午後8時ごろから夜釣りに出かけたそうで、2人が誤って川に転落したとみて調べを進めているとのことですが、なんとも胸が痛くなる事故です。

 

まず、横十間川がどのような川だったのか気になるところですが、いわゆる陸封された運河で、イメージとしては都会でよく見かける流れのない人工的な川。護岸整備されていて、水深も1.5m程度(深いところで2m)。一般的には「どこにでもある川」という印象を受ける人が多いと思います。

釣りに関しては、横十間川はハゼ釣りで有名だそうで、夜はウナギが釣れることでも知られているんだとか…。ただ、それほどメジャーなポイントではないとのこと。

警視庁、親子が夜釣り中に誤って川に転落か?

今回の水難事故は、「まさか…」と思うような点がいくつかありました。

その中でも特に、『水難事故が想定されるような川でなかったこと』『父親が消防職員であったこと』が挙げられるのではないでしょうか?

まず、水深1.5mほどの流れのない川で、なぜ二人が川底で発見されることとなってしまったのか。そして、危険予測などは予備知識として頭に入っている消防職員の父親が、そこでどのような厳しい事態に陥ってしまったのか。

この横十間川は、事故に遭った親子の自宅からそう遠くないと報道がありました。水難事故の多くは近くの川や海で起こると言われているので、近くだから安心というのではなく、水辺に近づくときはどんなときも油断してはいけないことを忘れてはいけません。

これから横十間川の夜釣りの水難事故について、どのようなことが想定されるのか、もう少し詳しく見ていきたいと思います。

夜釣り中に転落死…なぜ事故が起きたのか?

夜釣りの親子の死亡が確認されたニュース

東京都江東区猿江の横十間川で起きた親子の転落死。

本来、水難事故のなさそうな場所で、なぜ事故が起きたのでしょうか?

横十間川の水深は約1.5m。成人男性の平均的な身長であれば溺れることはなさそうな深さではあります。昼間なら川底もうっすら確認できるので、見た目にも安心感があると言えるでしょう。

しかし、ここが危機管理の重要なポイントなのですが、多くの人は水深◯◯メートルというとプールを想定して考えます。つまり、明るい日中で、なんとか陸まで泳ぎきれば助かるイメージで『水深』を数値化するのですが、実際、想定外の落水に陥ってしまうと多くの人がパニックを引き起こします。

たとえば、夜の横十間川に落水した場合だと、次のような悪条件が重なると想定できるでしょう。

大量のヘドロで足場が不安定

川底が苔などで滑って立てない

夜、真っ暗闇であること

深さがわからない

一瞬でも水を大量に飲めばパニックに陥る

服を着たままなので身体が重い

川に流される感覚

護岸整備されているので陸に這い上がれない

また、横十間川は上から見ている分には川の流れがないように見えますが、中に入ると体感できるだけの流れはあると考えられますし、親子が釣りをしていた場所から100m下流の地点で発見されたことからもそれは明らかです。

体の2/3も川に浸かってしまえば、流れの力には抗えなくなります。海や川によく行く人なら、流されそうになったビーチサンダルやボールなどを取りに行こうとして、ヒヤッとした経験があるかもしれません。

横十間川

パッと見た感じ深い川ではないのに、足がつきそうでつかないというのは、溺れやすいポイントです。水深1.5mでもかなり危険度を増してきます。実際、水深1.5mは大人でも顔が出るギリギリの深さであり、9歳の子供なら足が届きません

仮に、子供が溺れているのをお父さんが発見して、助けるために川へ飛び込んだとしたら、息継ぎの度にジャンプしなければなりませんし、足場が不安定で服が水を吸って重くなっている状態だと、救助は困難を極めます

横十間川は、護岸整備された川であることがニュースなどで確認できますが、川から上がるための足場がなく、水面と足場の高低差が問題だった可能性もあります。たとえ、溺れなかったとしても、落ちた川から這い上がれずに、最終的に力尽きて泳げなくなったとも考えられるからです。

子供が溺れ、父親が助けに行くことは可能性としてあり得ることですが、たとえ子供だとしても溺れている人を救出するのは難しいと言われています。何かしがみつくものがあれば良かったかもしれませんが、水を飲んだり、気が動転した状態だと、そこから状況を好転させるのは至難の業。

決して、映画やドラマの人命救助のようにうまくいくものではありません。誰かを助けに行った時に、二次災害に巻き込まれるのは珍しいことではないのですから。

子供との夜釣りが危険な理由

横十間川、夜釣りの雰囲気

今の季節のように日中が猛暑だと、夜釣りの方が快適に釣りを楽しむことができるでしょう。

しかし、子供との夜釣りは前々から危険だと言われています。

先ほども、川に落ちると様々な想定外の状況がパニックを引き起こす話をしましたが、その中でも輪をかけて状況を悪くするのが『夜、真っ暗闇であること』です。

人間は視覚から情報を集めることが多いので、夜間は危機認知能力が鈍くなります。子供なら尚更です。

夜に釣りに出かけると、誰かが海や川に転落した時に気が付きにくく、助けを呼ぶことも困難になります。また、暗さによって状況判断も鈍くなり、うっかり足を滑らせて水辺に転落してしまえば、恐怖でパニック状態に陥りやすくなります。

行き慣れた場所でも、昼と夜とではまったく違うことも多く、大人でも夜釣りの転落事故は絶えません。夜釣りに限らず、夜だからこそ身を危険に晒すことになる場合もあるので注意が必要なのです。

夜釣りに出かけた時、子供は普段経験しないことに対する好奇心で色々な探検をしようとするもの。特に小学生の男の子だと、どこで何をしているかわかりません。夜釣りと言えば主に男性のレジャーですが、やはり女性に比べると男性は子供を見ているようで見ていないので、子供の安全管理がままならないうちは無理をしない方が賢明でしょう。

私もよく叱られるのですが、母親は子供のことをよく見ているので、その部分はまったく頭が上がりません。

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ライフジャケットを着ていれば助かった?

ネットを見てみると、『ライフジャケットを着ていれば安心だった』という意見も沢山見受けられます。たしかにライフジャケットを着ていれば、今回の事故においては生存確率は高まったと見るのが自然でしょう。

ただ、横十間川でライフジャケットを着て釣りをするのは、道を歩くのにいちいちヘルメットを被るくらい不自然だという意見もありました。

実際、釣りをする人で、きちんとライフジャケットを着ている人は10人に1人もいませんし、昔から釣りをしている人だと、ライフジャケットが必要だとの認識すらしていないのではないでしょうか?

よく釣りに行く人の話を聞くと、釣り場でライフジャケットを着ている子供はほとんど居ないのが現状だと言っていました。その人が言うには、「水遊びをするならいざしらず、夏場のライフジャケットは暑いし動きにくいし、一々、数千円も出して買わないんじゃないかな?」とのこと。

たしかに、多くの人はそう考えていそうです。

ただ、30年前はシートベルトさえ義務化していませんでしたし、チャイルドシートが義務化されたのも最近であることを考えれば、せめて子供のライフジャケットくらいは義務化しても良いかもしれません。

『何かあってからでは遅い』

この言葉は昔から言われていることですが、特に子供の行動は予測できないので、水辺に遊びに行くときは着用させておいた方が、万が一の時にも安全で安心です。

池のある公園などを散歩していてもそうですが、よく釣り人が公園の柵を越えて釣りをしている姿を見ます。場所によっては、釣り人たちが柵を越えやすいように段差を作ったり、金網をこじ開けていたりすることがありますが、子供はこのような場所を見つけるのが得意です。好奇心の強い子供だと、躊躇なく立ち入り禁止区域に入ることも考えられます。

子供の行動は予測できないものとして心得ておきたいものです。


このニュースで私も子供用のライフジャケットを買いました

追記(2017/8/1)

早速、Amazonからライフジャケットが届いたので、簡単なレポートの追記です。

Amazonのキッズ用ライフジャケット

持った感じはかなり軽いですが、子供なら十分浮力が得られそうな厚みがあります。下の紐は股ベルトです。

ライフジャケットを開いた様子

股ベルトは収納ポケット付き。

ライフジャケットの注意書き

国土交通省の認定ではないようです。

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残された母親が不憫でならない…

今回、横十間川で夜釣りを楽しんでた親子が水難事故に遭ったニュースを聞き、残された母親のことを思うと不憫でなりません。

小さな子供を連れて夜釣りに行くべきでないことには同意せざるを得ないのですが、せっかくの夏休み、わが息子に普段できない貴重な体験として、近くの川へ夜釣りを楽しみに行ったと考えれば、とてもこの父親を責める気にはなれません。

近所の小さな川だから危険はないと思うのは、釣りが趣味の人ならある意味普通のことですし、昔と比べて子供が夜に起きていられる環境になり、いまの時期であれば夕飯の後、お父さんと息子が近くへ夜釣りに行くくらい許容範囲だと考えられなくもないからです。実際、同じようなことをしていても大丈夫な人の方が多いものです。

親子で釣りを楽しむイメージ

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お父さんは子供を喜ばせようとし、子供もきっと楽しみにしていたのでしょう。

そこで不測の事態が起きてしまい、(おそらくですが)溺れた息子を助けようとした父親の姿を思い浮かべると、救われなかったことだけが無念でなりません。

夏になるとかならず水難事故のニュースがありますが、このような事故が起きるたびに、自然を侮ってはいけないと痛感させられます。同じような悲しみが続かないように、私たちも気をつけなければなりません。

そして、家族を同時に二人失い、残された母親のことを思うといたたまれない気持ちになります。どうか気を強く持っていただくことを願うばかりです。

謹んで亡くなった親子のご冥福をお祈りいたします。

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