カツオ価格が高騰する2017年!裏で一体何が起きているのか?

冷凍カツオ

2017年夏、カツオの価格が高騰し、カツオを加工している大手各社が次々に値上げを発表しているというニュースが話題となっています。

和食の命と言われている『だし』の原料であるカツオの価格が高騰すると、私たちの食卓にも大きな影響が出て来ると見られていますが、今、その裏で一体何が起きているのでしょうか?

調べてみると、南太平洋の『ナウル協定加盟国(PNA)』(海のOPECとも呼ばれている)という存在と、海外の超大型漁船によるカツオの乱獲が高騰の原因となっているようでした。

今回はカツオの価格が高騰している理由について、わかりやすく解説していきたいと思います。

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カツオの価格が高騰する2017年!

ここ数年、『だし』がブームの日本ですが、2017年夏からカツオの価格が高騰し、今後、私たち消費者への影響も大きなものになると予想されています。

カツオの価格高騰で値上げのニュース

今回、かつお節やツナ缶などの値上げをする大手加工食品会社の発表は以下の通り。

  • ヤマキ 『家庭用かつお節』 7~15%値上げ(8/1から)
  • マルトモ 『家庭用かつお節』 7~11%値上げ(9/1から)
  • はごろもフーズ 『シーチキンマイルド』 6~7%値上げ(9/1から)
  • にんべん 『家庭用かつお節』 10~25%値上げ(10/2から)

マグロは英語で「Tuna」と言うので、ツナ缶はマグロと思っていたのですが、カツオは英語で「Skipjack Tuna」とも言うそうなので、スーパーなどでよく見かけるツナ缶は、今後値上がりすることになります。(ちなみにカツオは「Bonito」と訳されるのが一般的)

まぁ、カニカマをカニを思うようなものでしょうか?

ツナが大好きな志田未来さん

日本でカツオが原料となっている食品はかつお節やツナ缶がメジャーですが、かつお節からとられるかつおだしは多くの和食に使われているので、うどん、そば、おでんなどの値上げも心配されます。それ以外にも、スナック菓子やドレッシングなどにもかつおだしが使われており、最近ではスタイリッシュな商業施設でも『だし専門店』を見かけることも多くなったので、今回のカツオの価格高騰は色々なところに影響を及ぼすことになりそうです。

ただ、現時点においての値上げは、問屋に出荷する際の価格の高騰なので、消費者が購入するカツオの加工商品の価格については、各小売企業の判断に任されるとのこと。

おそらく、2017年後半ごろに消費者がカツオの高騰を実感することになると言われています。

カツオ高騰に街の小売業者の声

カツオ価格高騰の理由は何?

では、カツオの価格高騰の理由は一体何なのでしょうか?

その主な原因として挙げられているのが『冷凍カツオの不漁』です。

冷凍カツオというのは、加工品としてよく利用されており、かつお節やツナ缶の原料になっています。これはつまり、多少傷ついても利用価値が保たれるので、大量に獲れる漁法でOKということなので、日本の漁師さんたちが海外まで行って、巻き網漁によってカツオを捕獲しているのです。

しかし、ここ最近はそのカツオの不漁が続いているとのこと。

この件について、海外まき網漁業協会の中前明会長は「理由がわからない」とした上で、「漁に出ても獲れる日もあれば獲れない日もある。トータルとしての漁獲量はかなり減少している」と話していました。

冷凍カツオの価格推移

上記画像は農林水産省の調査による冷凍カツオ1キロ辺りの取引価格ですが、2016年1月は174円だったのに対し、2017年5月は282円になっています。昨年から比べると6割ほど値段が上がっているので、かなり高騰していることがわかります。

ニュースでは新興国でのカツオの需要が高まっていると報じられていましたが(ツナ缶がブームらしい)、短期間で日本のカツオの価格がここまで高騰するのはちょっと異常ですね。

しかし、この事態をもう少し突っ込んで見てみると、意外な事実が見えてきます。

カツオ価格高騰の裏で何が起きているのか?

海のOPEC、ナウル協定加盟国

先ほど、カツオの価格高騰は『冷凍カツオの不漁』が理由だとありましたが、なぜ不漁になったのかの原因については不明だとされていました。

冷凍カツオの巻き網漁は、『ナウル協定加盟国(PNA)』(別名海のOPECと呼ばれる)太平洋の島国8カ国が連携している排他的水域で行われているのですが、各国合わせて30数隻の船が加盟して入漁料を支払うことで、その場所でカツオを捕獲することが可能となっています。

ナウル協定加盟国は、ナウル、パラオ、パプアニューギニア、ソロモン諸島、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、キリバス、ツバルの島国8カ国によって成り立っています。そして、冷凍カツオの8割以上がこの海域から獲られていることもあり、この8カ国はカツオを捕獲しにきた各国の船から入漁料を得ることによって、国家財政を支えているという現実があるのです。

 

しかし、2012年からこの入漁料のシステムが変わってきました。

2011年までは入漁料が取れ高払い(一隻年間3,000万~4,000万円)だったのですが、2012年から入漁料が1日ごとの一律徴収に変更になったのです。

この変更によって、2012年からは1日漁をするのに5,000ドル(約55万円)支払わなければならなくなり、それが2015年にはさらに8,000ドル(約90万円)に引き上げられたので、1隻あたり年間約2億円必要(年間漁業180日計算)となってしまったのです。

パラオに停泊する外国のカツオ漁船パラオに停泊する外国のカツオ漁船

ナウル協定加盟国が南太平洋の排他的水域の入漁料を引き上げたことについては、もちろん理由があります。

それは他の加盟国(中国、韓国、台湾など)の超大型漁船が、カツオを根こそぎ持っていってしまい、年々この水域でのカツオの引き揚げが難しくなってきたからです。ナウル協定加盟国としては、やせ細っていく漁場での取れ高払いは割りに合わないので、1律料金性に変更せざるを得なくなってしまうのです。

日本のカツオ漁船は1,100トンですが、中国の超大型漁船だと1,800トン。当然、船の大きさで漁獲量もまったく違ってくるので、このような一律料金だと、しわ寄せは日本のような小さな漁船が被ることになります。

カツオが獲れない日のリスクを考えれば、ナウル協定加盟国の入漁料の変更がカツオ価格高騰の大きな要因になったことは言うまでもないでしょう。

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これからカツオは海外から買い取ることに…

2017年夏に起きたカツオの価格高騰ですが、その裏で外国の超大型漁船のカツオの乱獲が大きな影響を及ぼしていることを指摘せねばなりません。

2012年にナウル協定加盟国が入漁料のシステムを変更せざるを得なくなったのは、カツオの不漁を案じてのことである可能性が高いからです。

日本のカツオ漁船

基本的に漁業は海からの資源を得ることですが、その資源には限りがあります。しかし、中国や韓国などが超大型漁船でやってきて、海洋資源保護などを考えずにカツオを獲りまくれば、当然不漁の日も多くなり、やがてカツオが獲れなくなる時がくるかもしれません。

そうなれば、ナウル協定加盟国としても、国家財政を支えている収入源もなくなるでしょう。

ただ、2012年から続く入漁料の改定は、問題を起こしている外国の漁船ではなく日本の漁船だけが苦しむことになっていることが大きな問題です。

太平洋のカツオ回遊ルート結果的に日本海域でのカツオも減少する

このような問題点を指摘すると、日本は小さな船しか持てないから負け惜しみを言っていると考えるかもしれません。たしかに日本のカツオ漁は中小企業が中心なので、外国のような超大型漁船に投資するのは難しく、このまま入漁料が上がり続ければ、この水域から撤退しなければならない現実があります

しかし、いくら世界的に『かつおだし』や『ツナ缶』がブームと言っても、外国漁船のカツオの乱獲が止まらなければ、日本の食に大きなダメージを与えています。ナウル協定加盟国の水域で冷凍カツオの8割が捕獲されていることを考えれば、今後、日本は外国から冷凍カツオを購入することになります。

本当にそれでいいのでしょうか?

安く手に入るからといって中国などから冷凍カツオを買い取れば、結果的に日本のカツオ漁業や加工食品会社の経営が立ち行かなくなってしまうことになるでしょう。

海外のツナ缶を紹介する日本のテレビ海外のツナ缶を紹介する日本のテレビ

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たとえば、WCPFC(中西部太平洋マグロ類委員会)など、世界的にみても、カツオ資源についてはあまり問題視されていません。しかし、現実に起こっている南太平洋でカツオの不漁や、ナウル協定加盟国の入漁料引き揚げが、今後のカツオ資源の不安を物語っているのではないでしょうか?

日本のカツオ価格高騰の裏には、外国の超大型漁船による乱獲が問題があり、それはいずれ、消費者である私たちに大きな影響を及ぼすことになりそうです。

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