10万人の宮崎勤と報道したアナウンサーの真相…なぜ今話題に?

10万人の宮崎勤報道、なぜ今話題に?

「ここに10万人の宮崎勤がいます!」

まだインターネットが普及していなかった頃、コミケを取材したあるアナウンサーがカメラに向かってそう伝えたことがあった…。

この話が今、ネットを中心に大きな話題となっています。

今の時代において、もし現地レポーターがコミケ来場者にそんなことを言えば、「マスコミが一般人を犯罪者扱いした!」とSNSで炎上待ったなしでしょう。しかし、今となっては都市伝説としても扱われているとも言われています。

ただ、こうした過去の発言を掘り起こす人が後を絶たないというのは、どういうことなのでしょうか?

今回は、ネットで気になったこの話題の真相についてみていきたいと思います。

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なぜ今10万人の宮崎勤の話が話題に

「ここに10万人の宮崎勤がいます!」

過去にカメラの前にそう叫んだアナウンサーが居たとか居ないとか…。

かなり興味深い話ですが、その放送を録画されたものが未だに出て来ず、そのことを覚えている人の記憶に頼るだけなので、いまや都市伝説化している話です。

そして2017年9月、あるブロガーの検証記事が投稿されたことにより、10万人の宮崎勤報道の話が再び世間から注目されることとなったのです。

⇒「10万人の宮崎勤」はあったのか?

 

宮崎勤は、1980年代後半に日本中を震撼させた『東京・埼玉幼女連続殺人事件』の犯人で、部屋から大量のアニメやホラービデオ、雑誌、漫画などが押収されたことで、いわゆるオタクの名を地につけた人物です。事件が猟奇的な内容だったことから、宮崎勤は何度も精神鑑定を受け、2008年に死刑執行されています。

宮崎勤、逮捕当時の新聞記事逮捕当時の新聞記事

私も当時のことはよく覚えています。1980年代後半というのは、いわゆるゲームやアニメなどのオタク文化の過渡期で、同人誌なども専門ショップだけでなく、大手書店などで見かけ始めた頃です。ホラー描写の規制もゆるく、TSUTAYAに行けば18歳以下でもギニーピッグなどのスナッフ映画を借りられる時代でした。

1988年、東京・埼玉で連続して幼い女の子が行方不明となり、警察の懸命な捜索の末に宮崎勤が逮捕。その後、宮崎勤がオタク文化に傾倒していたことコミケに参加していたことなどのプライベートや、事件で幼い子供たちが残忍な目に遭わされていたことが報道され、その内容が常軌を逸したものだったことから、オタクの存在自体が危ういものとされてしまったのです。

コミケ参加者へのバッシングは昔からあった…

 

あれから30年が経ち、『東京・埼玉幼女連続殺人事件』は今でも人々の中で記憶に残り続けています。しかし、オタク文化は大きく変わりました。この30年で急激に回復し、今では一大ムーブメントとなっているのです。

当時は宮崎勤の影響で、オタクの人たちは肩身の狭い思いをしていました。大の大人が人前で「アニメが好きだ」といえば、自然と事件を想起させてしまう空気があったからです。その背景には、『オタク=犯罪予備軍』という空気を作ったメディアやマスコミの存在があり、そのことに対してよく思わなかった人がいたことも事実です。

しかしながら2000年代に入り、オタク文化は市民権を獲得。さらにSNS時代によりマスコミの立場が弱まっている今、「ここに10万人の宮崎勤がいます!」と報道した過去の噂が話題になるのは、ある意味自然な話なのかもしれません。

10万人の宮崎勤と報道したアナウンサーの真相は?

10万人の宮崎勤報道をしたと噂されたアナウンサー

ところで当時、「ここに10万人の宮崎勤がいます!」とカメラの前で叫んだアナウンサーとは一体誰なのか?

映像が残らずとも、そのシーンをこの目で見たという人たちの記憶をたどれば、10万人の宮崎勤と報道したアナウンサーが誰なのかはある程度目星がつくはず。

そこで名前が上がっているのが、東海林のり子・元アナウンサーです。

東海林のり子が「ここに10万人の宮崎勤がいます!」と言う姿をは、違和感なくイメージすることができます。しかし、東海林のり子のウィキペディアの中には、次のような記述があります。

1989年(平成元年)、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件で宮崎勤が逮捕された直後に行われたコミックマーケット36において、「TBSの番組でコミックマーケットのレポートに訪れた東海林が、10万人を超える参加者を背に『ここに10万人の宮崎勤がいます!』と発言した」と語られることがある。

しかし、実際にそのシーンを収めた動画は2013年現在確認されておらず、東海林本人もこの発言を否定している。また、当時東海林がレポートを担当していたのはフジテレビのおはよう!ナイスデイである。

引用元:Wikipedia

一時はウィキペディア上にも、10万人の宮崎勤と報道したアナウンサーは東海林のり子だと言われていたようですが、真相はどうやら違うとのこと。様々な検証において、東海林のり子説は『デマ』という認識となっているようです。

たしかに東海林のり子が言いそうなセリフであり、該当者が出てこない限り疑いは晴れません。ただ、この件に関しては、私もデマの線が固いと見ています。

東海林のり子と言えば、90年代中盤あたりからヴィジュアル系ロックバンドとお茶の間を橋渡しする存在でもありました。当時、商業誌でもBL漫画(尾崎南とか)が連載されていましたし、コミケでもバンド系のBL同人誌などもあったので、ヴィジュアル系に理解のある東海林のり子が、コミケの来場者を犯罪予備軍扱いするだろうかと、疑問に思うところがあるからです。

アニメがマイノリティなら、ヴィジュアル系(当時はポジパンとか言われていた)やBLもマイノリティ。もちろん、他にも過激なものがあったりしたわけですが、なんにせよ、マイノリティの住み分けに対し、東海林のり子がそんな攻撃的な発言していたら、もっと鮮明な記憶として残っていると考えるのが自然なのではないでしょうか。

 

となると、10万人の宮崎勤とテレビで発言したアナウンサーが他にいる?

しかし残念なことに、他に噂されているレポーター(アナウンサー)というのはいないのです。

テレビで見た気がするという証言はあっても、はっきりとその人物が誰かを証明するものが残っていないので、結局、この話は人々が作り上げた虚構なのではないかとも言われているのです。

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「10万人の宮崎勤がいます」は都市伝説?

『「ここに10万人の宮崎勤がいます!」と報道したアナウンサーが居た』

結局、この話自体が、ただの都市伝説ではないかと言われています。

当時のオタクバッシングの風潮や、メディアが暗にそれを煽っていた事実もあったので、かなり信憑性の高そうな話だと思ったのですが、「10万人の宮崎勤がいます」という言葉だけがひとり歩きしているということなのでしょうか?

  • レポーターが男性だった
  • マンガでそのことについて描かれているのをみた
  • 報道はテレビではなく雑誌メディアだった

このように異なる証言だけを取ってみれば、事実よりもバッシングしたいという目的が先に立つ部分があります。こうなってくると非常に胡散臭い話になってきます。

ただ、1989年12月に発刊された『別冊宝島104 おたくの本』の中には、次のような記述があるそうです。

別冊宝島104 おたくの本

コミケットを、一部のマニアによる秘密の会合のようなつもりで取材に来たマスコミは、秘密というにはあまりに巨大なその数に驚いて帰っていった。ここに十万人の宮崎がいると書いたマスコミもあった。

米澤嘉博によるコミケ概論「コミケット世界最大のマンガの祭典」より

これを調べてみると、どうやら(1989年8月21日付)埼玉新聞の記事のことを指していることがわかります。

埼玉新聞、10万人のコミケと宮崎勤を関連付けた記事

写真の下には『10万人が集まったコミケ会場の中の一人だった宮崎、幼女を殺害した彼と、他のビデオ・アニメファンとの違いは何だったのか… =8月13日、東京・晴海』と記されています。10万人のコミケ参加者と宮崎勤が関連付けられた文章の内容から、メディアによるオタクバッシングの風潮が伺うことができます。

この埼玉新聞の記事が、巡り巡って「ここに10万人の宮崎勤がいます!」というテレビ報道に変化を遂げていったのか? それとも、本当に10万人の宮崎勤報道があり、たまたまその映像を残した人が居ないだけなのか?

その真偽は未だに解明されていません

 

ただ、これが都市伝説(捏造)だったとしても、このような噂が出回るのは仕方がないところがあります。

当時、宮崎勤の事件が世間に衝撃を与え、私たちに理解不可能な恐怖心を抱かせました。そして、その恐怖心を煽ったのがマスコミであり、その影響でアニメファンをはじめとするマイノリティたちは日陰の生活を送ることになりました。

そこから長い暗黒時代を迎え、それが2000年代に入り、徐々にアニメブームを巻き起こして、今ではすっかり市民権を得たカルチャーとなりました。

ひょっとしたら、迷惑を被った人たちの中には、マスコミに対して積年を恨みを晴らしたいという思いを持った人もいるかもしれません。現在においても、一部マニアに対しての偏見があることも事実なので、そうしたフラストレーションのはけ口、または起死回生の一手として、テレビメディアで10万人の宮崎勤報道をした事実が検証されて続けているのかもしれませんね。

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30年近く経とうとしている現代において、いまだに「ここに10万人の宮崎勤がいます!」という噂が聞かれるのは、なんとも奇妙な話です。

多くの人にとってはどうでも良いことでしょうが、韓国の慰安婦問題のように『絶対に許すまじ!』といったケースもあるので、たとえ都市伝説だとしても、この手の話は延々と語り継がれていくのでしょう。

結局、この話の実体は、人の想念が生み出した虚構ということも考えられるのですから。

ただ、これが「ここに10万人の宮﨑駿(ジブリの監督)がいます!」だったら平和だったのにね。

(そもそも話題にならんか…)

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