アメリカで銃規制反対が多い理由!銃乱射事件後に銃が売れる社会

銃規制反対、なぜ多い?

2017年10月1日、米ラスベガスでアメリカ史上最悪の銃乱射事件が起き、世界中で銃規制についての議論が沸き起こっています。

たとえば日本の場合、国民の多くが銃規制については賛成意見であることがわかります。しかし、アメリカでは意外なことに銃規制反対が多いことに驚かされます。彼らが銃規制を反対する理由とは何なのでしょうか?

銃による問題を抱えたアメリカでは、銃乱射事件の後に銃が売れる社会とも言われています。

今回は、銃社会アメリカで、なぜ銃規制に反対する人が多いのか、その理由についてわかりやすく解説していこうと思います。

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アメリカはなぜ銃規制をしない?

アメリカはなぜ銃規制しないのだろうか?

アメリカの銃乱射事件がニュースで流れる度、私たちはこのように素朴な疑問を抱きます。

かつて、オバマ前大統領が銃規制強化に関する大統領令を出したことがありましたが、2016年6月のフロリダのナイトクラブで起きた銃乱射事件(49人死亡)、2017年10月のラスベガス銃乱射事件(59人死亡)に象徴されるように、立て続けに銃犯罪の規模が徐々に大きくなってきています。当時、オバマ前大統領は涙ながらに銃規制の必要性を訴えていましたが、国内での銃規制があまり進んでいないことがわかるでしょう。

銃規制を涙で訴えるオバマ前大統領

アメリカ史上最悪の死傷者を出したネバダ州・ラスベガスでの銃乱射事件では、トランプ大統領は哀悼の意を示すも、銃規制については沈黙を守りました。

その背景にあるのが『全米ライフル協会(NRA)』の存在。

NRAは米政界に絶大なる影響力を持つ、アメリカの銃規制反対派の一大勢力です。トランプ氏は大統領選でNRAからの支援を受けて大統領になれたようなものなので、銃規制について言及することができなかったのです。

NRAはアメリカで強大な資本力を持ち、米政界にも顔が利くことから、法的な銃規制にストップをかけるように働きかけをおこなっています。つまり、銃を規制できない最大のガンとなっているのです。

NRAから支持をうけるトランプ氏NRAから支持をうけるトランプ氏

 

「悪から身を守るために、善人が銃を取れ」

NRA(全米ライフル協会)は、このように主張します。

実際、アメリカでは民間で保有されている銃器の数は人口総数を上回っており、銃規制をするにしても、これらをつつがなく回収するというのは現実的にムリがある話です。そして、アメリカをそのような状態にした影にNRAがあり、彼らは銃規制反対の支持者と豊富な資金を動かして、国が銃規制をしないように圧力をかけてきたのです。

NRAが長い年月をかけて作り上げてきた銃のある社会が、アメリカ人から銃を手放せない状態に陥れ、アメリカの銃規制において賛成派と反対派を分けた大きな原因となっているのです。

アメリカで銃規制反対が多い理由

全米ライフル協会の主張

アメリカで銃規制に反対する人は多いと言われています。

その理由は『銃で身を守りたいから』です。

銃のない国・社会で生きる私たちからするとバカバカしい話かもしれませんが、アメリカで銃規制反対派が主張する理由は、銃による犯罪から身を守るために銃を手にするしかないという防衛論から来ています。

よく映画でも、店が強盗に襲われそうになった時に、テンガロンハットを被った親父がレジの下から取り出した猟銃を犯人に突きつけて追い返すシーンがあります。あのような場面で、「もし銃がなかったら…」と考えてしまうのがアメリカの実情なのでしょう。決してゾンビに襲われた時に銃が必要だからという話ではありません。

 

冗談はさておき、アメリカ人が犯罪に巻き込まれそうになったとき、銃規制反対派が「銃で威嚇して追い返すべきだ」と主張しているのは本当です(合衆国憲法修正2条『国民武装の権利』)。いわゆる正当防衛として、銃を所有する権利がなければ、犯罪者から身を守る術がないということです。

銃規制に成功している国(国民が銃を所有していない国)にとって、銃規制が治安の高さを支える大きな要因になっていることから、銃を持たないことが絶対的な正義であることは言うまでもありません。しかし、州によっては簡単な身分証明証ひとつで銃が購入できるアメリカのような銃社会だと、銃規制は善人だけが防衛手段を失うことになりかねません。

こんなアメリカに誰がした?ボーリング・フォー・コロンバイン

フロリダのナイトクラブでの銃乱射事件やラスベガスのコンサート会場での銃乱射事件は、多数の死傷者を出す悲劇を生み出し、その度に感情的な銃規制論争が沸き起こります。

「いまこそ銃を手放す勇気を持つべきだ」

そう叫ぶ銃規制賛成派も少なくないのですが、自己責任論が強いアメリカ国民が自衛の手段を手放すかどうかについては、ただ勇気を出せばいいという問題ではないのかもしれません。

だからといって、このまま寛容な銃社会に甘んじてて良いのかと言えば、それも違う。それでは凶悪な銃乱射事件の再発は止められない。これこそが銃社会アメリカが抱えるジレンマであり、銃規制賛成派と反対派が二分する大きな理由となっているのです。

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銃乱射事件後に銃が売れる社会

銃乱射事件があった後、アメリカでは普段より銃が売れる現実があります。これは、アメリカの銃社会が病んでいることを象徴する出来事のひとつと言えるでしょう。

銃乱射事件があれば、世界中から哀悼の意が集まり、二度とこのような悲しい出来事が繰り返されないようにと願い、祈ります。しかしアメリカ人は、凶悪犯から身を守るために銃が必要だと考え、近くのホームセンターに護身用の銃と弾丸を買いに行きます。

実際、銃乱射事件の後は銃器メーカーの株価が上昇するくらい、アメリカ国民の銃への依存度は高いのです。

余談ですが、テロに使われるようなアサルトライフルや自動小銃など、護身用としては殺傷能力が高すぎる銃については、基本的にアメリカでも所持は禁止されています(州による)。このような武器は表のマーケットではなく、アンダーグラウンドな流通経路で手に入ると言われており、そこには中東の武器商人との裏の繋がりがあるという噂もあります。これが、アメリカの銃問題を、さらにややこしくしています。

結局、暴力に抵抗するために、それに匹敵する強い力を求める社会になってしまったということでしょう。

アメリカの銃販売店

当然、銃がこれだけ売れるということは、それだけお金になります。つまり、市場も巨大化し、銃を市民に売ることで飯を食っている人が沢山いるのです。そして彼らは銃規制に反対の立場を取り、恐怖に取り憑かれた市民が銃を手にすることを望んでいます。

しかし、そんな彼らが平和主義者ではないかというと、そんなことはありません。彼ら銃規制反対派は、平和と安全という名のもとに銃を売っているだけなのです。

槇原敬之の曲に『店じまい』というのがあります。

『店じまい』 作詞:槇原敬之

一人がやめたぐらいでなくなるわけではないし

生きていくため仕方ないとそういって今まで来た

銃を一つ作ればまた銃口が向けられる者が増える

生きていくために仕方ないと誰かの命を奪っていた

(中略)

まだ震える両手をもう一度見つめる

誰かの命奪うためにこの手はあるんじゃない

誰かを抱くため誰かの幸せを祈るために

この手はあると忘れずに生きていくため

「ああ、神さま私は店をたたみます」

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銃を作っていた人が、子供が流れ弾に当たって倒れるニュースをみて、店じまいをすることを決めるという内容ですが、色々と考えさせられるものがあります。

銃規制賛成派が求める勇気とは、おそらくこのようなことなのでしょう。

銃規制反対は本当に正しいのか?

銃社会アメリカ

過去にアメリカでは、母親が3歳の子供が誤射されて死亡するという事故も起きています。母親は、1歳の娘のおむつを交換してる最中だったといいます。

完全な銃規制は難しいと言われる中で、それを無理だと思って諦めてしまっては、この先も銃に泣く人が後を絶つことはありません。非常に難しい問題ですが、全米ライフル協会(NRA)の主張する『銃による自衛』が本当に正しいのかどうか、しっかりと見極めなくてはいけないことは確かでしょう。

映画『ボーリング・フォー・コロンバイン』の序盤で、クリス・ロックがステージのMCで、銃規制について次のような主張していました。

銃規制なんか要らない。

要るのは弾規制だ。

弾を規制して、値段を1個5,000ドルとかにすればいい。

5,000ドルだ。なぜか?

撃つ時に慎重になって流れ弾の被害がなくなる。

人が殺されても納得だよ。

「余程の理由だ!」

「すげえ、5万ドル分も食らった!」

殺す側だって5000ドルなら易々とは殺せない。

「ブッ殺してやる!弾が買えたときにな!

俺が職に就いて貯金を始めたら命はないと思え!

俺が貯金しないことを祈ってろ!」

ユーモアがありながらも本質をついています。大規模な銃規制が難しくても、銃の取扱いを困難にする規制は有効かもしれません。核爆弾と同じで、本来使うべきものでないことが前提であるならば、個人所有に制限を設けることから始めるのは納得ができる話ですから。

クリスロックの弾規制、ボーリング・フォー・コロンバインより

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今回は、アメリカで銃規制反対が多い理由について、できるだけ簡単に解説してみました。

銃で泣く人をこれ以上増やさないためにも、やはり銃規制は段階的に必要ではないかと考えられます。

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