ユリノミクスとは?内部留保課税の問題点をわかりやすく解説!

希望の党の政策としてユリノミクスを発表する小池百合子代表

2017年10月6日、希望の党が衆議院選挙公約を発表し、その中の経済政策として『ユリノミクス』を提唱したことが話題となっています。

ユリノミクスのメインの柱は『大企業の内部留保への課税』ですが、希望の党の掲げるこの政策は果たしてうまくいくのでしょうか?

今回はユリノミクスとは何か?

そして、ユリノミクスの柱となる内部留保課税の問題点について、できるだけわかりやすく解説していきたいと思います。

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ユリノミクスとは?

小池百合子が代表を務める希望の党が掲げた『ユリノミクス』という経済政策。いわゆるマクロ経済(国全体の経済)に対する方針ですが、一体、希望の党はどのような政策を立てているのでしょうか?

まず、このユリノミクスという言葉は、もともとコイケノミクスと周知されつつあったのですが、小池百合子代表がよりソフトなイメージを持たせたいということで、自身の百合子という名前にちなんで『ユリノミクス』という名称になったとのこと。これは小池百合子がよく使うイメージ戦略の一環と言えるでしょう。

ユリノミクスのニュース

それはさておきユリノミクスの内容ですが、ポイントは消費税に変わる財源確保についてどのようにやっていくかが大きな割合を占めます。

そのひとつとして、大企業の内部留保への課税が挙げられます。

内部留保とは、わかりやすく言うと『企業の儲けた蓄え』のこと。

つまり、ユリノミクスは「投資にも配当にも回さずに貯め込んでいる企業の資産については、これから課税していきますよ」ということですね。

ただ、大企業の内部留保への課税が、消費税増税の穴を埋める代替案として成立するのかどうかが問題です。これについては、日本の企業全体が蓄えている内部留保は、お金で換算すると300兆円以上だと言われているので、ユリノミクスの提唱する内部留保課税が大企業のみだとしても、消費税増税を補うくらいの税収は期待できると考えられます。

 

そして、ユリノミクスが掲げている経済政策はもうひとつあります。

それは基礎的財政収支(プライマリーバランス)の改善です。

基礎的財政収支とは、簡単に言うと『国の収入と、国債を引いた支出のバランス』のこと。国債というのは、言わば国の借金なので、要するに国の財政を黒字で回るようにしましょうということになります。

ただ、それは希望の党だけでなく、どの政党も考えていることであることは付け加えておく必要はあるでしょう。

ユリノミクスについての説明⇒ベーシックインカムについてわかりやすく

 

そしてやはり、ユリノミクスは『大企業の内部留保への課税』が主なポイントとなるということなので、次の項目で内部留保課税についての問題点についてみていきましょう。

内部留保課税の問題点

ユリノミクス(=内部留保課税)は、消費税を増やさない代わりにどこから財源を引っ張ってくるかという政策なので、どちらかというと言葉だけがひとり歩きしている印象が拭えません。実際、ユリノミクスはイメージ戦略の枠組みを出ていないので、実現性の問題に指摘が集まってしまうのは自然の流れと言えるでしょう。

ユリノミクスの大きな問題点としては、『内部留保課税』が二重課税並みに厳しいというところです。つまり、企業はすでに高い税率で法人税を払っているので、さらにそこから税金を取ることになるからです。

一応、『大企業』限定としていますが、この辺りのラインがどこになるのかも注目が集まるところでしょう。国があまり「税金税金」ばかり言ってしまっては、企業が海外に流出する可能性も出てくるからです。

麻生太郎が内部留保課税について反論

そして今回、希望の党が打ち出してきたユリノミクスは、れまで安倍政権が法人税を下げてきた政策とは正反対の方針となります。

安倍政権は企業への緩和(優遇)政策を行って経済の活性化を試みていることに対し、希望の党は「いやいや、それでは一部の人たちしか豊かにならない」と言って、企業からの課税をさらに増やした方が国民全体が良くなるだろうと考えているのです。

小池百合子代表からすると、安倍政権と経団連のしがらみをクリアにしたいという思惑があるのかもしれませんが、なんにせよ、その背景には『消費税⇒国民の負担』と『法人税⇒企業の負担』のバランスが関係しています。

 

わかりやすく言うと、

ユリノミクスは『消費税凍結×法人税増』で国民(庶民)主体の政策

アベノミクスは『消費税増×法人税減』で経済(企業)主体の政策

ということになります。

 

誤解のないように付け加えておくと、アベノミクスも結果的には国民の豊かさにつながる政策を行っています。ただ、『鶏が先か卵が先か』だけの話です。

経済が活性化すれば国民が豊かになると考えるアベノミクスか、国民が豊かになれば経済が活性化すると考えるユリノミクスか、この辺りの判断は人によって大きく変わってくるでしょう。

ただ、ユリノミクスの問題点として、安倍政権で実績が出つつあるアベノミクスと逆の政策『大企業の内部留保への課税』を進めることで、本当に今以上の経済効果を生み出すかというところでしょう。

ヘタすれば今の経済成長は泊まり、デフレに陥る危険性も出てきます。

ユリノミクスをわかりやすく言えば、『お金はあるところから持ってくればいい』という考えなのかもしれませんが、結果的に企業の弱体化や海外流出を推し進めるリスクがあるので、手放しで喜べないところがあるということですね。

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ユリノミクスが不安視される理由

ざっとユリノミクスについての解説を行っていきましたが、希望の党の政策を不安視する声は少なくありません。

というのも、大企業の内部留保を埋蔵金か何かと勘違いしているとの指摘があるからです。これがただの絵に描いた餅であるならば、ユリノミクスの柱となる『大企業の内部留保への課税』はとんだ失策ということになります。

 

ユリノミクス自体は非常に単純です。

国の財源は「お金を貯めている大企業から引っ張ってくればいいじゃない?」というだけの話ですから。

もちろん、ユリノミクスは捉え方次第で印象が変わる話であることは言うまでもありません。国民からの目線で言えば、平均年収が下がっている国民から消費税を取るより、景気が良い大企業に課税しろと考えるのはもっともな話でしょう。

しかし、それで本当に日本経済が回るようになるのかは疑問が残ります。

たとえば、内部留保は現預金などの金融資産ではなく、自己資金で建てた工場も内部留保のひとつなので、課税がキツくなれば工場を売らなければならなくなるリスクを抱えることも考えられます。敷いては、日本企業の衰退にもつながるかもしれません。

ユリノミクスについてのツイッター上での意見

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目先の消費税増は誰でも嫌なものですが、大企業が雇用や中小・零細への需要を作っていることを考えれば、ユリノミクスはあまりにも安易な経済政策だとツッコまれるのは仕方がないでしょう。

当然ですが、ユリノミクスの柱となる『大企業の内部留保への課税』が不可能であるという断定もできません。小池百合子代表が言うように、「金融緩和と財政出動に過度に依存しない」経済が可能であれば、ある意味理想的な経済状態になることは確かなので…。

ただ、それを信じるかどうかも国民一人ひとりに委ねられているということですね。

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